共産党内のハラスメントなどを主張してきた現役党員らによるグループが2024年5月1日に記者会見し、これまでの主張をまとめた書籍「日本共産党の改革を求めて」(あけび書房)をこの日発売したと発表した。
党内批判の動きは、古参党員の松竹伸幸氏(69)が規約上最も重い「除名」の処分を受けたことで活発化。24年1月に開かれた党大会では、田村智子副委員長(当時、現委員長)が、除名への異論を唱えた神奈川県議を厳しく非難。党は否定するものの、これが「パワハラ」だとする声は根強い。書籍には、この県議による党内会議の「発言原稿」だとされるものも収録されており、そこでは発言を「罵倒」だと受け止めたとする内容が記されている。
「最大の問題は、『結語』での指摘という名の罵倒」
グループが記者会見するのはこれで3回目。今回も匿名で、現役党員2人と、除籍された元党員1人の計3人が登壇した。書籍の多くの部分が、過去2回の記者会見の内容の文字起こしだが、問題になった党大会結語に関連する資料も収録されている。
党大会の1月16日の討論では、神奈川県の大山奈々子県議団長が除名処分に異論を唱えたのに対し、田村氏が18日の党大会結語の討論で、大山氏の異論は党外の声が根拠になっていることを挙げて
「あまりにも党員としての主体性、誠実さを欠く発言」
などと批判。これがハラスメントだという指摘が相次いだが、党側は一貫して否定している。
書籍で収録されている資料のひとつが、党大会後の1月22日に行われた「北東地区委員会の地区委員会総会」での大山氏による「発言原稿」とするもの。そこでは、党大会について
「最大の問題は、『結語』での指摘という名の罵倒」
「異論を唱えれば激烈な反論に合う(原文ママ)ことが露呈し、若い代議員や国民に嫌な印象を与えたなと痛恨です。しかしそれは私が負う責ではありません」
「ただ呆然と聞くのみ」
などと表現している。
大山氏は、この問題についてほぼ沈黙を守っていると言ってよく、自らの発言が誤って機関紙「しんぶん赤旗」に引用されていることに憤る形で、3月19日にXで「人に沈黙を強いていながらこれ」などと書き込んだのが数少ない例外だ。