若い人はスマホ検索が得意、それが仇になった
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なった国民生活センター相談情報部の樋口雄大さんの話を聞いた。
――ゴキブリ駆除の相談が非常に多いですね【図表2】。特に若い世代に目立ちますが、薬局やホームセンターに行けば、さまざまなゴキブリ駆除の用品が売っています。自分で簡単に退治できるのに、なぜいきなり業者を呼んでトラブルに巻き込まれるのでしょうか。
樋口雄大さん 若い人が部屋の中で突然、ゴキブリを見つけて恐ろしくなったり、パニックになったりする気持ちもわかります。10代~20代の人はいつもスマホを手に持っており、すぐに検索して調べることが得意です。
薬局やホームセンターに行って自分で何とかしようと考えるより先に、あわてて業者を探してしまうと思われます。事例にあるように、広告に出てきた「基本料金500円から」という宣伝文句を引かれ、すぐに電話してしまうのでしょう。その「500円」が「5000円」になり、あるいは「15万円」、「100万円」というトンデモない額になるわけです。
――10代~20代からの相談件数が2018年~2023年に16倍に急上昇しています。いったい、どういうわけでしょうか。コロナ禍で家にいる時間が長くなり、ゴキブリと遭遇する機会が増えたからでしょうか。
樋口雄大さん その可能性も考えられますが、それを示すデータはありません。あくまで推測になりますが、ムシ嫌いの若者が急増しているからだと思います。特に女性に多く、全体の相談件数の7割近くを女性が占めます。
10年くらい前でしたか、私も子どもの頃に愛用していたある学習ノートの表紙から、リアルな昆虫の写真が消え、植物中心の写真になったことがニュースになりました。ムシが苦手な子どもが増え、怖がるからだと報道されました。
同時にスマホが普及して即座に駆除業者を調べて、依頼することに慣れた若者が多くなったことがあげられます。