円相場の急落は政府日銀の「覆面介入」だったのか? そして今後の「円安進展」対応どうなる/第一生命経済研究所・熊野英生さん解説

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追加利上げだけは避けたい、政府日銀の本音

――滅多に為替介入ができないとなると、政府日銀は今後、円安の進展にどう対応していくのでしょうか。

熊野英生さん 剣道や柔道などの武道でいう「後の先(ごのせん)を取る」方法ですね。先手を取らせておいて、後から攻撃をするという意味です。つまり、米国の金融政策の変化をにらみながら、カウンターや返し技を繰り出していくしかありません。

米国の金融政策は今後、変わっていく可能性があります。11月の大統領選でバイデン氏になるか、トランプ氏になるか。どちらも景気を回復して大統領にのぞみたい。景気をてこ入れして刺激するには、現在のような金融引締め策ではお互いに困ります。

――日銀が利上げに踏み切り、日米の金利差を縮小する政策はいかがでしょうか。

熊野英生さん 追加利上げに追い込まれる事態だけは避けたいというのが、日銀と政府の本音と思われます。回復途中の景気が悪化します。しかし、日本側が利上げをしないと、円安がどんどん進むことも困ります。

日本経済の舵取りが、本当に難しい段階に差し掛かっています。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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