AIビジネスで日本が米中に勝てない理由 中国人連続起業家を阻んだ「前例と規制」

人気店や企業から非公開の招待状をもらおう!レポハピ会員登録

インバウンド不動産事業、コロナ禍で売却

   何さんは京都大学博士課程でAIによる物体認識技術を研究し、新卒で楽天に入社。2009年、31歳で同社初の外国人執行役員に抜擢された。以後IT企業のGREE(グリー)、不動産企業プロパティエージェントを経て、2017年に中国人向け不動産情報プラットフォーム「神居秒算」のサービスを立ち上げた。

   神居秒算はAIと過去の取引情報などのビッグデータを活用し、賃貸に出したときの利回りなども含めた物件情報を提供。現地に出向かずとも必要な情報を全てオンラインで提供し、購入できる仕組みを作った。拡張現実(AR)を活用したスマホのアプリは、カメラを起動すると売りに出ている物件が表示されるため、旅行中でも物件を探せると話題になった。中国人による日本での「爆買い」を追い風に、神居秒算は日本で不動産購入を希望する中国人が最も使う不動産プラットフォームに成長した。

   しかし2020年に入り新型コロナウイルスの流行が始まると、インバウンド消費はピタッと止まり神居秒算の先行きも不透明になった。何さんは、「自分は不動産業界の専門家でないし、事業を伸ばすためには大きな企業に売却した方がいい」と不動産テックのGA technologies(GAテクノロジーズ)に12億円で事業を売却した。

姉妹サイト