東海道新幹線「個室」導入で考える「ハイグレードサービス」 国鉄時代の新幹線には「グリーン個室」も

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   JR東海は2024年4月17日、東海道新幹線に使用されるN700S車両の一部に、完全個室タイプの座席を順次導入すると発表した。高いプライベート感、セキュリティー環境を備え、個室専用Wi-Fi、レッグレストつきリクライニングシート、個別調整可能な照明・空調・放送などの設備を整備する。主たるターゲットは、オンラインなどでの打ち合わせを気兼ねなく行いたいビジネスパーソンや、プライバシーを重視する利用者、ゆっくりくつろぎたい人だ。1編成につき2室導入する予定である。

   なぜ、このような個室を導入するのか。JR東海は、新幹線の新たな座席のあり方の検討を進めており、ビジネス環境を一層高めた座席や、移動時間を一層快適に過ごせるようなグリーン車の上級座席を検討してきた。そんな中から、グリーン車よりも上質な設備・サービスを備えた個室を導入することを決定した。

   新聞報道によると、車内販売の準備室や喫煙ルームのスペースを利用する予定だという。

   普通車とグリーン車、寝台車ならB寝台車とA寝台車というのが、いま鉄道で供給されているサービスの大半である。しかし、さまざまな上級サービスが鉄道では試みられてきて、いまもそれは続いている。どんなものが現在あり、過去にあったのだろうか。

  • 東海道新幹線は、完全個室タイプの座席を順次導入
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  • トワイライトエクスプレス
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  • 北斗星
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JR東日本が熱心な「上級座席」

   JR東日本は、一般のグリーン車より上等なサービスを提供することに力を入れている。東北新幹線・北海道新幹線・北陸新幹線・上越新幹線では、「グランクラス」を提供している。主要な列車では、飲食のサービスがある。

   グリーン車では座席は2列+2列の配置となっているが、「グランクラス」では2列+1列の配置となっており、ゆったりと座れる。飲食の有無による価格差が大きくないのか、それとも高価ゆえになかなか乗る人が少ないのかわからないが、最近では飲食のサービス水準が以前に比べて低下している状態だ。

   いっそ値上げしてリッチな飲食をとは思うものの、そうはできない事情もあるのだろう。

   在来線でもこうした試みに取り組んでいる。東京都内と伊豆急下田を結ぶ「サフィール踊り子」は、最低レベルの座席でもグリーン車となっている。「プレミアムグリーン車」という1列+1列の座席や、グリーン個室もあり、またカフェテリアも備えられている。なお、この列車では最低ランクのグリーン車も、2列+1列となっており、一般の特急「踊り子」よりはぜいたくなものとなっている。

   過去にもJR東日本は、上級サービスを意識して提供してきた。

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