埼玉西武ライオンズが2024年4月28日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)で2-3とサヨナラ負け。相手を上回る12安打を記録したが、再三の好機を生かせなかった。
延長11回1死二、三塁の好機で金子侑司、平沼翔太が連続三振。延長12回も1死満塁で外崎修汰が三ゴロ併殺打に倒れた。
延長12回に3投手をつぎ込む小刻みな継投策も実らず力尽きたが、投手陣は責められない。借金が今シーズンワーストの8にふくらんだ。
リーグトップクラスの先発陣を擁しているが
低迷の原因は深刻な貧打だ。
今シーズン24試合を消化して62得点はロッテと並んでリーグ5位タイ。4得点以上を取ったのは4試合のみと打線がつながらない。
規定打席に到達した選手の中で打率2割5分を超えている選手がゼロで、若手が伸び悩み外野の定位置も3枠で固まらない。
西武の貧打は今シーズンに限った懸案事項ではない。
昨シーズンはリーグワーストの435得点。高橋光成、今井達也、平良海馬、隅田知一郎、松本航と、リーグトップクラスの先発陣を擁して、チーム防御率2.93はリーグ2位だった。
だが、昨シーズン、投手陣が好投しても打線が見殺しにするケースが目立ち、借金12で5位に低迷した。
「日替わりオーダーではチームの核になる選手が出てこない」
スポーツ紙記者は
「得点力が上がらないと、投手陣に負担が掛かる。今年は救援陣が不安定で、試合終盤に大量失点を喫するケースが目立ちます。先発投手は1点も与えられないという心境になるでしょう。課題は山積みですが、チームをどう再建するか。打線強化は時間が掛かるので、数年先を見据えて若手を固定して起用する覚悟も必要だと思います。今のような日替わりオーダーだとチームの核になる選手が出てこない」
と指摘する。
ファームには蛭間拓哉、滝澤夏央ら好素材の若手たちが控えている。松井稼頭央監督がチームをどう立て直すか。
このままズルズル下降線をたどるわけにはいかない。手腕が問われる。(中町顕吾)