最近「平成女児」というワードをSNS上で目にする機会が増えた。平成女児とは、平成10(1998)年前後に生まれた世代。携帯電話、小型ゲーム機に幼少のときから親しんでいる。
TikTokでは、1997年発売の「たまごっち」ブームが再来。また、子どもの頃に楽しんだであろう、デコレーションした「ニンテンドー3DS」(2011年発売)で遊ぶ様子や、夢中になったおもちゃで懐かしさにひたる、当時の平成女児だった今の大人たちが続出している。
ブームは「パワーあふれる時代への憧れ」
ファッション業界でも、平成女児ブームが見られる。当時の小学生に流行したファッションブランド「ANGEL BLUE」や「mezzo piano」の女児服を大人が着用し、キャラクターグッズを身に着ける様子が話題だ。また、平成女児をコンセプトにした「女児服カフェ」がオープンしている。
1988年に誕生した「mezzo piano」については、ナルミヤ・インターナショナル(東京都港区)が、「mezzo piano 35th Anniversary Cafe」を東京で2024年5月19日まで、大阪と名古屋では4月25日~5月26日にオープン。かつて「mezzo piano」、「mezzo piano Junior」を親しんだ、Z世代から30代前後の支持を集めているブランドだ。
ナルミヤ・インターナショナルに取材すると、コロナ禍の先行き不安感や閉塞感を経て、平成の突き抜けた明るさやポップさといったパワーあふれる時代への憧れが、「平成女児ブーム」の理由の一つだと考えているという。大人になって経済力がついた世代がカルチャーの中心になり、子どもの頃に流行したものを今またはやらせているのではないか。
Z世代からも支持
「mezzo piano Junior」の一部キャラクター商品は、Z世代から30代前後の人も購入するという。
東京では現在、「mezzo piano 35th Anniversary Cafe」が開催中だ。ナルミヤ・インターナショナルによると、そこを訪れたZ世代から30代前後の人々からは、「子どもの頃『mezzo piano』が大好きだった記憶が蘇ってきて、懐かしい気持ちとともに、今見てもこの世界観がやっぱり好きだと感じる」との話を聞くとのこと。小学生当時集めていたグッズを、今も大切に持ってカフェに訪れる人も多い。35年を経ても昔と変わらず、「mezzo piano」の世界観を愛してくれていることが大変うれしいと話した。