2024年4月26日にZepp Hanedaで行われたロックバンド「MY FIRST STORY」のワンマンライブ「MY FIRST STORY 2024 "express"」で、メンバーのHiroさんが観客らに向け、会場となったライブハウスで禁止されているモッシュやダイブなどの行為をあおり、退場者が相次いだ。
Hiroさんは27日、インスタグラム配信で釈明を行ったが、ロックファンからは厳しい声が多く寄せられている。
「今日は兎に角どの曲でも死ぬほど暴れてくれ」
今回問題となったのは、観客同士が体をぶつけ合ったり飛び跳ねたりと、集団で同じ行為をとる「モッシュ」、観客の頭上に上がり、他の観客に客席前方〜ステージ前まで運んでもらう「ダイブ」と呼ばれる行為だ。ライブの興奮を分かち合うものではあるが、どちらも周囲への負担が大きく巻き込まれて怪我をする観客もいることから、多くのライブハウスやイベントなどで禁じられている。
ライブが行われたコンサートホール「Zepp」でも同様に、「全国のZepp全館において、モッシュやダイブなど周囲のお客様に危害を及ぼす可能性のある危険行為はご遠慮ください」とアナウンスしている。
しかし、26日のライブではメンバーのHiroさん自ら観客らをあおったという。Xでも「今日は兎に角どの曲でも死ぬほど暴れてくれ。以上」と呼びかけていたほか、公演中には「あと退場食らっちゃった子、もしまだ近くいたら戻ってきてくれ!」と投稿。退場になったファンから「戻ってきてもスタッフに全員止められてます」などとする声が寄せられたことについて、「退場になっちゃったみんなほんとごめんね」と謝罪していた。
SNSでは退場を宣告されたファンらが歓声の中、ハイタッチをしながら誇らしげに会場を後にする動画も拡散された。
「僕はどっちかって言ったら全然『推奨派』なんですけど」
自身のあおりによって退場者が相次いだことから、Hiroさんは翌27日にインスタグラム配信で詳細を説明した。
スタッフを介してZeppとやり取りをし、希望を伝えていたが「うまく連携とれていなかった」。「僕の中ではダイブしても、退場者とかを出すつもりはなかった」という。
過去にも同様の経験があったが「今回は僕の意向もちゃんと伝えてあったし、大丈夫かなと思ってた」とした。
「僕らの意向としては、何より来ているみんなに楽しんでもらいたいという思いが一番」と語り、Zepp側の対応に不満を漏らした。
「Zeppさんはそういう(禁止行為の)ルールを設けてるのは、すごい正しいことだと思うんですけど。実際みんなを捌くのはセキュリティの子だったりとか、現場にいるアルバイトの子たちになっちゃうからさ。ってなるとやっぱりそこの連携も取れてないし」
ファンに向けては「僕が煽った手前、(会場を)出されてしまうっていうのは本当に僕の落ち度でもありますし、連携の取れてなさでもあった」と反省を口にした。
「『ダイブが怖い』っていう人も絶対少なからずいるし、『暴れずにフラットに観てたい』って方もいらっしゃる」と全員がこうした鑑賞スタイルを望んでいるわけではないと説明。その上で、「僕らの中でそこのラインは、ホールとライブハウスでっていうので分けてはいる」とした。
Hiroさんは「僕はどっちかって言ったら全然『推奨派』なんですけど」とし、全国のZeppで行われる次のツアーでは「全権を僕らに委ねてほしい」と伝えたという。
「貼り紙やスタッフの言葉を信じて、怪我をしたファンのことも思いやってほしかった」
こうしたHiroさんの主張をめぐっては、ファンの間でも意見が割れている。「退場組は退場組で楽しかったし、hiroに言われて自己責任で飛んでいるので気にしないでください」「とにかくマイファス最高だった。Hiroの煽りとそこから飛ぶダイバーがすき」などとダイブ・モッシュをライブの醍醐味だとするファンも少なくない。
一方で、Hiroさんの主張は受け入れ難いとする声も。危険行為の推奨によりライブへの参加を躊躇するという声や、実際にライブで怪我をしたという報告もある。
「退場になったファンもそうですが、貼り紙やスタッフの言葉を信じて、怪我をしたファンのことも思いやってほしかった」
「ライブは好きだし、前に行って見たいし、でもダイブがあるから前に行けないのも事実。ダイブがどうしても好きになれないし、なる事もない。嫌いなまま。ダイブがなくってほしいのが本音」
「モッシュダイブ禁止と注意書きがあるライブに行ったのに、いきなり巻き込まれる人の気持ちは無視なんでしょうか?」