なぜいま日本球界は「投高打低」なのか セ・パ4球団コーチ歴任の識者が「2つの要因」指摘 今後も続く傾向か

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「あと何年かはバッターの数値は右肩下がりに...」

   投手の平均球速が上がったことに加えて、投手が使用する球種も「投高打低」に関係しているとした。これが、要因の2つ目だ。

「ここ最近、持ち球の中で縦の変化球を使うピッチャーが非常に多くなった。フォークボール、チェンジアップ、速めのカーブなど。今までもそういう球種を投げるピッチャーはいたが、このような球種を使うピッチャーが増えたのと、その球種を使う割合が増えた。たとえば、ツーボールからフォークボールでカウントを取ったり。巨人の戸郷(翔征)投手はカウントを取るフォークボールと、空振りを取るフォークボールを投げ分けている。バッターは横の変化に比べて縦の変化は対応しづらい」

   さらにこう続けた。

「かつて縦の変化球はどちらかというとウイニングショットに使う割合が大きく、見逃せばボールになるような球が多かった。今はストライクを取ったりするので、よりやっかいになっている。3割バッターが少なくなっているのは、平均的なスピードが上がっているのと縦変化というバッターにとっては非常に対応しづらい球の割合が増えていることが関係していると思います。高い能力を持ったピッチャーが増えている証拠でもあります」

   今後も「投高打低」の傾向は続くのだろうか。

   橋上氏は「ピッチャーのコントロールがよくなり、バッターはフォアボールを取りづらくなっている」と指摘。そのうえで、

「そうなると出塁率、長打率も下がるので必然的にOPSも下がってくる。バッターの数値の中で、上がり目が考えられるものがなかなかない。よほど画期的なトレーニング法などが見つからない限り、あと何年かはバッターの数値は右肩下がりになっていくと思います」

との見解を示した。

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