大型連休初日にあたる2024年4月27日、全日空(ANA)は前日4月26日夜時点での連休期間(4月27日~5月6日)の予約状況を公表した。国内線は前年比15.1%増の112万5765人で、国際線は同19.3%増の20万3539人。
新型コロナウイルスの5類移行後初めて迎える大型連休で客足が伸びる一方、止まらない円安は海外旅行にとっては逆風だ。
ただ、ANAによると、円安を理由に「国際線から国内線に切り替えるというケースは、あまり聞かなかった」。現時点では、滞在先の過ごし方を工夫することで円安の影響を抑えているとみている。
ロンドン、パリ、フランクフルト行きはほぼ満席
4月27日が国内線の上り、国際線の日本発便がピークだ。この日だけで、国内・国際合わせて約6万人(国内約5万2000人、国際約8000人)がANA便で羽田空港を出発する。
国際線は全方面で予約率が9割を上回っており、ロンドン、パリ、フランクフルト行きはほぼ満席だという。
連休期間の予約数をみれば、成田を発着する大型旅客機のエアバスA380型機が就航した影響で、ハワイ線は過去最多の予約が入っている。
羽田空港の第2旅客ターミナルは20年3月に国際線用施設がオープンしたが、コロナ禍の影響で直後の20年4月に閉鎖。再開されたのは23年7月のことで、第2ターミナルから大型連休の国際線客を送り出すのは初めてだ。
国際線の出発ロビーで取材に応じた矢澤潤子常務は、
「3年間、この施設がクローズの状態だったので、これだけの賑わいを見せているのは非常に感無量。非常にうれしい」
などと話した。円安については
「円安の影響もあるかもしれないが、ことゴールデンウィークにおいては、これまで以上に海外旅行への熱量、意欲が非常に高まっていると感じている」
と語った。
また、円安を理由に旅行先を海外から国内に切り替えたケースは「あまり聞かなかった」といい、「何もしないぜいたくな旅」「自然を楽しむ旅」といった具合に、旅行先の過ごし方を工夫しているとみている。
国内線の下り、国際線の現地発のピークは、いずれも5月6日を見込んでいる。
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)