男女の幸福度のデータをグラフ化したものについて、作家のトイアンナさんの著書に「無断転載」されたとして、グラフ作成者の「すもも」さんがX上で抗議している。
これに対し、発行元の扶桑社は、著書の一部が連載された『週刊SPA!』の公式Xで、「編集部の不手際」があったと謝罪し、重版からグラフを削除するなどの措置を取ると明らかにした。一体何があったのだろうか。
「私が作成したものとほぼ同一ですが、掲載許可とかの連絡こなかった」
この著書は、いわゆる「弱者男性」の人口推計に踏み切ったという『弱者男性1500万人時代』で、2024年4月24日に発売された。Amazonの書籍ジャンルのランキングで1位になるなどして、注目を集めている。
データ分析による男女論をSNS上で発信している「すもも」さん(@sumomodane)は同日、自らの専門に近いこともあってすぐに著書を購入したが、その中でグラフの無断使用に気づいた、とX上で報告した。
「あれ?このグラフ、私が作成したものとほぼ同一ですが、掲載許可とかの連絡こなかったです」
すももさんは、著書のグラフと自ら作成のものの比較画像も載せた。グラフでは、研究者の国際プロジェクト「世界価値観調査」について、先進25か国の抜粋部分がデータとして使われていた。その結果、日本の未婚男性は、先進国で最も幸福度が低く、未婚女性は最も幸福度が高いということが浮き彫りになったという。
このグラフは、すももさんが21年ごろからX上で投稿し、大きな話題になっていたともした。
グラフ無断使用の訴えについて、すももさんは25日、週刊SPA!の編集者からX上のDM(ダイレクトメッセージ)でお詫びが来たとして、その文面の画像も投稿した。
そこでは、トイアンナさんから渡されたグラフの画像について、編集者がすももさんに使用許諾を取るべきだったが、そのときは、すももさんが作成したものと分からず、研究者の調査だけ参照して掲載してしまったと説明されていた。