日本航空(JAL)は2024年4月26日、米国便を運航した機長が滞在先のホテルで酔って騒ぎ、警察に通報された影響で折り返し便を欠航する事案が起きたと発表した。
事案から折り返し便までには丸1日以上あったが、JALとしては、騒ぎを起こした機長の「心身の状態を確認する必要がある」として、乗務から外すことを決めた。代わりのパイロットを手配する必要が出たため、欠航になった。影響を受けたのは157人で、振替便を手配した。
18時に宴会スタート、ホテルのクレームで2時に「お開き」に
記者会見した南正樹・運航本部長によると、機長はダラス・フォートワース空港(テキサス州)行きのJL12便(ボーイング777-300ER型機)を操縦し、現地時間4月22日8時5分に到着。18時から同乗したクルーと市内のレストランで食事をした。メンバーは機長含むパイロット3人、客室乗務員(CA)4人。21時にホテルに戻り、ラウンジで同じメンバーで宴会を続行。途中でCA1人は帰ったという。23時には、機長の部屋での「部屋飲み」に移行した。途中でさらにCA1人が帰り、深夜2時に「お開き」になったときは「パイロット3人、CA2人」だった。
部屋飲みが「お開き」になったのは、ホテルのスタッフから騒音を注意されたためだ。南氏によると、この機長は「少し酔いが深かったということもあって、足元がおぼつかなかったこともあったと思われる」。そのため、「このまま部屋の辺りにいると少しうるさい」というため、いったんロビーに移動するように指示されたという。ロビーに戻る際に「少し声が大きくなったり、あるいは受け応えが少し困難な状態になった」様子だったため、ホテルのスタッフが警察に通報したという。
飲酒量は、最初のレストランから通算すると「ワイン7本相当、ビールの330ミリリットル缶12~18本」。飲み切れずに捨てた分もあったという。
機長は49歳男性。乗務歴は21年3か月、そのうち機長歴は1年1か月だったという。