米大統領選「トランプ優勢」だけが円安歯止め?
――今後、円安はどこまで進むでしょうか。
熊野英生さん 当面、1ドル158円くらいまで進むでしょう。
いまのところ、米国のインフレが収まる兆候がないので、米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに踏み切るという見方が後退しています。日米の金利差が縮小する動きは見られず、円安を修正する材料は乏しいのが現実です。
過度な円安が修正される可能性があるとすれば、今年11月の米大統領選でトランプ氏が優勢になった時。トランプ氏は4月23日に、34年ぶりのドル高円安に対してSNS上で、「米国の製造業にとって大惨事だ」と発言しています。
彼は、日本と中国の貿易収支を意識しています。トランプ氏が優勢になれば、FRBに年内利下げを促す可能性がありますが、まだ、現実味はありません。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)