中日が最近7試合で1勝6敗と失速。開幕から快進撃を繰り広げて貯金を最多の6に積み上げたが、1まで減った。
投打がかみ合わず
25日の巨人戦(東京ドーム)は、先発の柳裕也が一発に泣いた。
5回まで無安打と完璧な投球だったが、2点リードの6回2死一、二塁とピンチを作って3番・坂本勇人に逆転3ランを被弾。
7回以降は救援陣が踏ん張り、巨人打線を計2安打に抑え、打線も相手を上回る7安打を放ったが及ばなかった。
気になるのは、不安定な投手陣だ。
18日のヤクルト戦(バンテリンドーム)から柳、メヒア、大野雄大と、大量失点で早々と降板している。
最近4試合は計10失点で1試合平均2.5失点と先発がきっちり試合を作っているが、打線が沈黙してかみ合わない。
「中日の生命線は投手陣」
スポーツ紙デスクはこう指摘する。
「中日の生命線は投手陣です。先発が試合を作り、救援陣をつぎ込んで逃げ切るのが本来のスタイルです。今シーズンは頭数がそろっているが、絶対的エースと呼ばれる存在がいない。連敗すると、歯止めが利かないのが不安要素です。柳は慎重になりすぎて四球から崩れるケースが目立ち、メヒアも制球が甘いのではじき返される。左肘手術明けの大野も本来の状態には程遠い。小笠原慎之介と共に、高橋宏斗が本来ならエース格として稼働してもらわなければ困るのですが...」
昨年(2023年)のWBC世界一に貢献するなど、球界を代表するエースとして期待が大きい高橋宏だが、今シーズンは春先から、投球フォームで試行錯誤して制球が不安定なため、開幕2軍スタートになっている。
高橋宏はファームでもなかなか状態が上がらなかったが、4月20日のウエスタン・リーグのオリックス戦(ナゴヤ)に先発登板し、7回3安打2失点と復調の気配を見せている。
早期の1軍昇格はなるか。再び上昇気流に乗るために、必要な右腕だ。(中町顕吾)