サッカーのパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップの準々決勝が2024年4月25日に、カタールのアブドゥラー・ビン・ハリファ・スタジアムで行われた。韓国はインドネシアにPK戦の末に敗退し、世界初となる10大会連続五輪出場の夢が潰えた。
後半に韓国FW、監督が連続一発退場
試合は、インドネシアが前半15分にFWラファエル・ストライクのゴールで先制。韓国が同45分にオウンゴールで同点に追いつくも、前半アディショナルタイムに失点し、前半を1-2で折り返した。
1点を追う韓国は、ハーフタイムに3人を代えて後半に臨んだ。ところが後半25分、FWイ・ヨンジュンが相手選手にチャージを仕掛けて、一発退場。数的不利の状況の中、途中出場のMFチョン・サンビンが同39分に同点ゴールを決めた。
逆転ムードが高まる中、後半アディショナルタイムにファン・ソンホン監督が主審に抗議したとして、レッドカードを受けて退場。チームは指揮官不在のまま、延長戦に突入した。結局、延長戦で決着がつかずPK戦となり、10-11のスコアで韓国が負けた。
1次リーグでは日本を1-0で破りB組1位で通過し、10大会連続五輪出場へ大きく弾みをつけた。一方のインドネシアは1次リーグ初戦で開催国カタールに0-2で敗れ、2勝1敗でA組を2位で通過した。
「現実になった災いは我慢できない苦痛だ」
まさかのベスト8敗退。韓国メディアはショックを隠さなかった。
「スポーツ朝鮮」(WEB版)は「これは現実か?」などのタイトルで速報し、「世界に永遠なことはない。記録は壊れるために存在する。しかし現実になった災いは我慢できない苦痛だ」と嘆いた。
くしくもインドネシアを率いたのは、韓国出身で、韓国代表監督を務めた経験のあるシン・テヨン監督(54)。シン監督は韓国代表の年代別監督を歴任し、17年から1年間A代表監督を務め、18年ワールドカップ(W杯)ロシア大会でチームを率いた。
シン監督は、韓国U-23代表の監督経験もあるだけに、母国の連続五輪出場記録を自身のチームが阻んだことに心境は複雑だったようだ。
「OSEN」(WEB版)によると、シン監督はインドネシアの勝利を素直に喜ぶ一方で「私の率直な心情は韓国が10回連続進出することになれば全世界で永遠に壊れない記録になっただろう」とし、「記録を私が破ったのは本当に申し訳ない気持ちが大きい」と語ったという。