米国経済は絶好調、ドルは強いまま
もう一つの円の防御策としては、外為市場への介入がある。これは日本政府が外為市場でドルを売って円を買うこと。「円の価値を死守するぞ」という断固とした態度を、市場参加者に示す狙いがある。しかし弱くなっている通貨の価値を、人為的に上げるのは困難だ。せいぜい一時的なかく乱要因になるだけで、大勢に影響はないだろう。
日米欧の現状を比較してみよう。今、米国経済は絶好調である。ITやバイオ、軍事、エネルギー、農業で世界をリードする米経済は盤石であるように見える。世界の基軸通貨として確固たる地位を占める米ドルは、今後も強いまま維持されるのではないか。
一方、欧州と日本は問題が山積でありどちらも停滞している。欧州の通貨であるユーロは実はドルより強く、1ユーロ165円くらいで推移している。ということは円が先進国で圧倒的に弱い通貨であるということである。