特急列車の窓から乗客が右手を突き出したため、撮影が妨害されたと、鉄道ファンがX上で写真などを投稿して、怒りを露わにしている。
なぜ手出しの行為をしたのか、その意図は不明だ。列車を運行した北総鉄道(千葉県鎌ケ谷市)は、「安全にご乗車いただくため、こうした危険な行為は止めてほしい」と話している。
「鉄道ファンの不幸を喜ぶような酷いことだ」
右カーブを曲がるタイミングで、前から1、2車両目ぐらいの右側の窓から白い上着の袖をまくった右手を出している。
この図柄の写真は、何人かの鉄道ファンが2024年4月21日にX上で投稿した。この手出しのせいで、写真撮影が台なしになったと怒っていた。
この日の朝は、北総鉄道の「ほくそう春まつり」に合わせ、京成線東成田発千葉ニュータウン中央行きの臨時特急電車が北総線を走っていた。まつりは、終着駅近くの駐車場であり、ステージイベントなどが行われた。
写真の1つは、千葉県松戸市内の松飛台駅近くで撮影されたという。投稿者は、手出しの行為に対し、鉄道ファンの不幸を喜ぶような酷いことだと嘆いていた。
写真投稿は、1万件以上の「いいね」が集まり、鉄道ファンらの関心を集めている。この他に、白井―小室間でも、特急のほぼ同じ車両の場所から、手で車内のカーテンを押し出すような行為をしていたとして、X上で動画が投稿された。
乗客の手出し行為について、北総鉄道の企画室は23日、J-CASTニュースの取材に対し、こう答えた。
「過去に鉄道ファンによるトラブルは聞いたことがない」
「当社としては、安全にご乗車いただくため、こうした危険な行為は止めてほしいと思っています。運転の担当者に聞くと、法に触れることではないのではないかということでしたが、窓から手を出すと、対向列車や電柱などに手をぶつけますので、とても危ないです」
手出し行為については、写真などがX上に投稿されてから気づいたと説明した。
「車掌がこうした行為に気づけば注意しています。運転士が確認するのは難しいと思います」
今回は、どんな意図で手を出したかは分からないというが、乗車中に窓から体を出すことはあまり見られないことだとした。
「春まつりには、約2万7000人の方が訪れ、鉄道ファンの方も、特急の写真を撮りに来ておられました。春まつりの特別なヘッドマークを装着していましたので、それ目当てに撮っていたのでは。春まつりを行うときは、ホームなどで警備していますが、過去に鉄道ファンの方によるトラブルは聞いたことがないです」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)