天皇、皇后両陛下が主催する春の園遊会が2024年4月23日、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれ、各界功績者ら約1400人が出席した。両陛下との歓談内容でとりわけ注目が集まったのが、日本サッカー協会(JFA)の元会長で、日本バスケットボール協会の前会長・川淵三郎氏だ。
川淵氏は米NBAロサンゼルス・レイカーズの八村塁選手のパリ五輪出場について「彼は出たいと言っているらしいんでね。あんまり公にまだ言っちゃまずいのかもしれませんが」と口を滑らせたと思えば、自身が携わってきたバスケットボールやサッカーについて「結構バスケットは頑張ってくれると思います」「ワールドカップ優勝も、そんなに遠いアレじゃない」などと約3分間にわたって持論を展開した。
「あんまり公にまだ言っちゃまずいのかもしれませんが......」
天皇陛下から「サッカーと、それからバスケット(ボール)」と声をかけられると、川淵氏は「バスケットはこの間、沖縄のワールドカップでね、本当に日本中が活性化して、多くの人に喜んでもらって、本当に嬉しかったですね」と満足げに語った。
続けて、八村選手について「今、八村塁がNBAで大活躍してますから。今度のオリンピックも、彼は出たいと言っているらしいんでね。あんまり公にまだ言っちゃまずいのかもしれませんが......」と発言。この様子はテレビでも中継されており、SNSでは驚きの声が広がった。
さらに、「今度のパリオリンピックも、結構バスケットは頑張ってくれると思います」と選手らの仕上がりに自信をのぞかせた。
「(海外に)出て行っていないと、国内だけでは日本の選手、全く伸びないですね」
一方サッカーについては、22日に行われたパリ五輪への出場を賭けたアジア最終予選・韓国戦での敗戦を受け、「サッカーは昨日ちょっとね、予選(で負けてしまった)」と苦笑。「次のカタール戦で頑張れば出場できると思いますけど......。そういう意味では、それなりに頑張っております」とした。
天皇陛下は「サッカーにしてもバスケットボールにしても、日本選手が海外でも活躍を......」と海外で活躍する選手に触れた。
川淵氏は「もう国内だけじゃ、もう限界がありますからね。海外に出てどれだけ活躍できるか、それが日本代表の実力をレベルアップさせるんでね。(海外に)出て行っていないと、国内だけでは日本の選手、全く伸びないですね」と持論を展開した。
「そういう意味ではサッカーの選手は、ものすごく出てますからね。何十人って、僕でもあんまりよく分からないぐらい、たくさん(海外に)出てますんでね」とし、「そういう意味では、いずれワールドカップ優勝も、そんなに遠いアレじゃないなというふうには思いますけど」と日本サッカーの未来について希望を語った。
スポーツでは「世界に羽ばたく人が増えていく」「学問の世界でもそうなってほしい」
皇后雅子さまが「海外でもね、ずいぶん活躍されていますね」と感心したように頷くと、川淵氏は「そうなんですよね。海外にも事務所を置いて、代表、日本サッカー協会がサポートするような形になってますからね」と海外でのサポート体制を充実させていると説明。
雅子さまは川淵氏の妻・康子さんにも「奥様もお好きでいらっしゃるんですか?」と笑顔で声をかけた。
康子さんが「はい。バスケットを初めて、この間のワールドカップの時に(観戦した)」と答えると、川淵氏は「沖縄でね。あんまり......運動音痴な方なんですけどね。そういう意味では、一緒に応援してくれています」とした。
「とても迫力がございますよね」とうなずいた雅子さまに、川淵氏は「まだまだこれから、(米MLB・ドジャース)大谷選手もそうなんだけど、スポーツの世界でやっぱり世界にどんどん羽ばたく人が増えていくんでね。だから学問の世界でもそうなってほしいなぁなんて、そんなふうに思ってますけどね」と笑いを交えて語っていた。