ゴールデンウイーク期間の「ハワイ線」予約数が過去最多だと、全日空(ANA)が2024年4月19日に発表した。前年比約1.5倍の約1万6000人が予約した。コロナ前の19年比でも、約1.2倍増だ。
一方、円安の加速で1ドル=154円を突破。加えて米国の物価高で、以前よりもハワイの旅行費は高騰している。SNSでは「みんなお金持ちだな」「円安だから無理」などと驚く声も。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏に、日本人旅行客のハワイ人気の理由を聞いた。
航空機の座席数は前年比約1.7倍増
鳥海氏は、ANAのハワイ便予約数過去最多の理由としてまず挙げたのが、航空機の提供座席数の大幅増だ。「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU」(フライングホヌ)という愛称がついた「A380」が3機稼働しているのだ。
成田―ホノルル間を結ぶA380は、2階建ての520席仕様。24年4月現在、1日2便が運航しているため、提供座席数が大幅に増えた。24年度のゴールデンウイークで、ANAが提供する座席数は2万5660席。前年比約1.7倍に増加した。
だが、鳥海氏はこうも話した。「もともとの座席数が多いので、予約数だけをみると増えていると言えるのですが、予約率はそこまで高くありません」。
予約率を見ると......
ゴールデンウイーク期間の予約率を見ると、24年度は62.3%で、19年度は81.1%。約19ポイント落ちている。「ハワイ線が混んでいると言うことはできません」と、鳥海氏は指摘し、こう続けた。
「予約率が下がったのは、現地の物価が高いからです。航空券の値段はそこまで値上がりしたわけではありませんが、円安の影響でホテル代や滞在費が高く、全体の旅行費用が上がっています」