「PayPay」の強みは、使える店の数とキャンペーンの明快さ
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査を行なったMMD研究所の担当者に話を聞いた。
――現在利用しているQRコード決済は、「PayPay」が圧倒的な1位で、「楽天ペイ」「d払い」「au PAY」という順番ですが、過去の調査でも同様ですか。「PayPay」が強い理由とは何でしょうか。
担当者 過去の調査を見ると、2021年7月では「PayPay」「d払い」「楽天ペイ」「au PAY」の順ですが、2022年1月には「d払い」と「楽天ペイ」が逆転し、それ以降、「PayPay」がずっと1位であることは変わりません。
「PayPay」のユーザーに利用している理由を聞くと、「ポイントがたくさん貯まる」「会計がスピーディーに終わる」「よく行く実店舗で取り扱いしている」が上位に並びます。
また、自由回答では「使える店の多い」や「キャンペーンがわかりやすい」という声があげられています。PayPayの魅力は、「使える店の多さ」や「キャンペーンのわかりやすさ」が他社と比較して特に強いのではと考えています。
利用者が多いと、利用者間で割り勘やお年玉をあげる際などの金銭のやり取りをPayPayで行うことが増えます。さらに、お賽銭などにも対応しており、他社が広げていない領域でPayPayが使えるようになっていることも利用者が増加するきっかけになっていると考えます。
――2位の「楽天ペイ」ですが、MMD研究所の「経済圏調査」ではいつもトップに君臨しているのに、QRコード決済では「PayPay」に大きく引き離されているのはなぜでしょうか。
担当者 楽天はQRコード決済の「楽天ペイ」の開始の前に、決済サービスとしてクレジットカードの「楽天カード」や、電子マネーの「楽天Edy」を提供しており、多くの利用者を保有していました。そのため、QRコード決済の「楽天ペイ」だけに集中するのではなく、「楽天経済圏」の中でさまざまな決済手段を用意する戦略をとっていました。
逆に、「PayPay」はQRコード決済では後発参入でしたが、そこに集中投資することが功を奏し、利用者を獲得し不動のシェアを確立しました。特に、「SoftBankペイ」や「Yahoo!ペイ」など自社グループのサービスネーミングにしないで、「PayPay」という新しいオープンなサービスにすることによって、新規ユーザーの間口を広く受け入れられたことも他社と違う要因と思います。