「老害だ」「最近の若者は」と、お互いに偏見はないか?
――ところで、組織内に「若年老害」を生まないようにするには、社内教育で一番大事なポイントはなんでしょうか。
担当者 会社としてできることは、上司先輩層に対し、時代は変わるので自分の(昔の)考えが必ずしも最適ではないことや、自分の考えが凝り固まっているのではないかということを、研修などを通じて教え気付かせていくことが、大切かと思います。
また、社風自体が時代に乗り遅れたままでは、社員も「古いやり方が正しい」という考えからアップデートができず、若手から老害扱いされやすくなってしまうのではと思います。
――部下の立場から、「若年老害」にはどう対応すべきですか。私のような「年上部下」も、可愛げがあるとは言っていられなくなります(笑)。
担当者 酔ったときに武勇伝を聞かされる程度の可愛いものであれば、自分が大人になって聞き流すというのも1つの手かと思います。
ただ、自分の過去の成功体験から「成功するにはこのやり方しかない」と思い込んでいる場合が多いので、新しいやり方で成果が出している実例を挙げ、考え方のアップデートを促してはいかがでしょうか。
また、部下の側も、「若年老害」とみなしている人に偏見をもって接していないかと振り返ってみてほしいです。昔ながらのやり方が必ずしも悪い、効果がないというわけではありません。上司も部下もお互いに偏見を捨ててフラットに話せる関係になれれば理想ですね。
――たしかに、「老害」と決めつけられるのは、たとえ高齢者でも若手でも嫌なものですよね。
担当者 お互いに無意識な偏見がある場合があります。「老害だ」とか「最近の若い者は」とか言いたくなったときには、自分は偏見で話していないかな?と一度振り返ってみることが、いい人間関係をつくるには大切なのではないかと思います。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)