新しい機械を入れた途端「発注は終わり」と言われることも
Aさんによれば、まずは発注元の会社が5%以上の賃上げをしてから、下請けもようやく5%程度の単価アップの交渉に入れるという。しかし、それもすぐには実現されず、先送りされてしまうこともある。
めでたく単価が上がり、実際に単価が上がって売上や利益が増えると、ようやく賃金を上げることができる。しかし、それで安心はできない。
「生産性を上げるために、お金を借りて新しい機械を入れたりすると、突然、『おたくは単価が高いから自社で内製することにした。発注は終わり』と言われることもあります。結局、それが怖くて安い単価のままで無理な仕事を続ける下請けもあるんです」
最近、「原料価格の上昇分の価格転嫁が思うように進まず」「設備投資の借り入れが大きな負担となり」といった理由で倒産する会社を見かけるが、その背景には発注元と下請けとのいびつな関係があると、Aさんは指摘する。