「成長実感や責任を持てる職場であれば定着率は高まる」
その際、相手の価値観を理解するために必要なのが「対話」だ。若手と上司が対話を進めることによって、「若手の進みたい方向性」と「上司がやってほしい方向性」を紐付けていくことが重要だという。いま、上司にはこうした「対話力」が求められている。
たとえば、目標設定の場面。ここでも、機械的に人員に数字を割り振るのではなく、若手が達成可能な目標について「どうやれば達成できるのか」を、上司と部下が「対話」を通じて考え出すことが必要だ。
そして、若手の行動を促す「話し方」も大事になる。そのためには、「結論から提示するというコミュニケーションから少し変えて、自分の体験や事例を示しながら、『こういう方法で、こういう結果になったけど、どう思う?』などと問いかけ、相手の主体性を引き出し、指導によるやらされ感を出さないことが育成方法のキモです」と近藤さんは語った。
そうすることで、若手が長く職場に定着する可能性も高まりそうだ。近藤さんは「職場に定着するかどうかのエンゲージメントは必ずしも上司だけによるものではありませんが、成長実感や責任を持てる職場であれば定着率は高まるでしょう」と説明した。