「もう、いい年だから」という言葉、やめようよ
――なるほど、自分の将来のロールモデルがすぐそばにいるというわけですね。
宇佐川邦子さん そのとおりです。今回、国際比較調査で「いつまでも働きたい」という人が、日本に突出して多く出た背景には、日本の「高齢化の進展」が世界最高レベルだからということがあります。しかし、それと同時並行に「高齢者の現役化」の進展も世界最高レベルなのではないかと分析しています。
先日、私の20代の後輩が、高齢者にインタビューする仕事に参加させてほしいと言ってきました。その時、「どうして?」と聞くと、「定年退職になった自分の父親の変化が気になっている。現役時代は体力もあってバリバリ頑張っていたのに、すっかり元気がなくなり、見ていて切なくなる。もう一度頑張ってもらうために、生き生きと働く高齢者たちに会いたいです」――そう言うのです。
――その気持ち、わかりますね。その後輩のお父さん、「終わった人」になっちゃったわけですね。
宇佐川邦子さん 私の後輩のように、お父さん世代はいつまでも生き生きと働いて欲しい。そして、自分もそうなりたいと考えている若い世代が、どんどん増えていることを感じています。「日本はすばらしい国だ」と強く訴えたいです。
――最後にシニアの人々、そしてこれからシニアになる人々に贈るエールをおねがいします。
宇佐川邦子さん 「もう、いい年だから」という言葉、やめてもいいと思います。「お母さん、もう、いい年だから。無理しないで。働かなくていいよ」とか、「私、接客の仕事やりたいけど、もう、いい年だから。人前に出るのはちょっとムリムリ...」とか。
働く意欲のある人をあきらめさせたり、自分の言い訳にしてしまっていたりしませんか。いくつになっても好きなことができるシニアになりましょう!
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)