米スポーツ専門局「ESPN」(WEB版)は2024年4月18日、大リーグのロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手(29)の銀行口座から不正に送金したとして「銀行詐欺」の疑いで訴追された水原一平容疑者(39)の特集記事を組んだ。
そのなかで、日本ハム時代に水原容疑者と交流のあった複数の選手のコメントを紹介した。
クロッタ氏「一平がいなければ経験できなかったことがたくさんあった」
ESPNの取材に応じたのは、かつて日本ハムに所属していたマイケル・クロッタ氏(39)、ミッチ・ライブリー氏(38)と、現在ボストン・レッドソックスでプレーするクリス・マーティン投手(37)の3人。いずれも日本ハム時代に水原容疑者が通訳を担当しており、プライベートでも親交があったようだ。
来日当時、水原容疑者と同じ29歳で意気投合したクロッタ氏は、グランド内だけではなく私生活でも多大なサポートを受けたという。クロッタ氏は取材に対して来日2年目のある出来事に言及した。
この年、米国にいた妻と幼い息子が来日することになったという。この時、夫人は第2子を妊娠していた。幼い子を連れた身重の夫人にとって、成田空港での乗り換えは困難だろうと懸念した水原容疑者は、札幌から成田空港に向かい、夫人をアテンドしたという。
クロッタ氏は水原容疑者の行動を「全く予想していなかった」と振り返り、「これは彼の仕事の一部ではなかったが、彼はそういう男だった」と人間性に触れた。休日にも行動を共にするほどの関係で「一平がいなければ経験できなかったことがたくさんあった」という。
ライブリー氏「通訳なしでは生きていけなかった。友人として見ていた」
15年シーズンを日本ハムで過ごしたライブリー氏は「あそこでは彼は私の命綱でした」と振り返った。そして、「通訳なしでは生きていけなかった。私は彼をチームの従業員ではなく、友人として見ていた」と親密な関係にあったことを明かした。ライブリー氏によると、水原容疑者はライブリー氏の就労ビザの手続きや銀行口座の開設などをサポートしたという。
また、ライブリー氏は「水原容疑者には昔から(違法賭博に手を染めるような)兆候があったのですか?」という問いかけに「イエスかノーかとも言えないし、言いたくもない」とし、「彼がギャンブルについての話をしたことを一度も聞いたことがないことは確かだ」と明かした。
現役大リーガーのマーティンは、オークランド・アスレチックス戦前に、クラブハウスで取材を受け、水原容疑者について「何も言うことはない」と首を振ったという。
マーティンは「私と妻はニュースのあちこちで一平の顔を見て、お互いに顔を見合わせて『信じられないことだ』と話した。私たちはショックを受けた。窃盗事件が動揺させている。物事は変わり、人は変わるものだが私はそのことを考えられない」とショックを隠さなかったという。
水原容疑者は大谷の口座から1600万ドル(約24億6000万円)以上の金を無断で不正に送金したとして、アメリカの捜査当局に銀行詐欺の疑いで訴追され12日に保釈された。
Mamiko, Shohei Ohtani's wife, reacting to his first moments as a Dodger ?? pic.twitter.com/QIuzyTYi7V
— MLB (@MLB) March 20, 2024