東京都の小池百合子知事の学歴をめぐる問題が再燃している。元都民ファーストの会事務総長で弁護士の小島敏郎氏が2024年4月10日発売の月刊「文藝春秋」に「小池百合子都知事 元側近の爆弾告発」「私は学歴詐称工作に加担してしまった」と題して掲載した全16ページの手記が発端だ。
その小島氏が4月17日に東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、改めて問題について説明した。この問題をめぐっては当時、小池氏がカイロ大を卒業したとする文書が駐日エジプト大使館のフェイスブックへ掲載され、いったんは追及が沈静化。今回の手記では、この文書の原案を「元ジャーナリスト」の「A氏」が作成したとする経緯を明かしている。「A氏」が誰なのは関係者の関心事で、「誤爆」のような詮索を受けたと訴える人もいた。
「公民権の成否が外国に握られている」
仮に小池氏が経歴詐称した場合、公職選挙法違反に問われる可能性がある。ただ、20年の都知事選については、すでに3年の時効が成立している。だが、小池氏が今後何らかの選挙に出馬する際に「カイロ大学卒業」と書いた場合、「その時点で犯罪が発生することになる」と小島氏はみている。
小島氏は次のように話し、カイロ大の話や、卒業証書では「卒業実態」を示す証拠にはならないと主張した。
「小池知事がカイロ大学を卒業したという主張は、カイロ大学が卒業したと認めているということと、卒業証明書と卒業証書があるということしかない。その『卒業したこと』という卒業実態を示す証拠は、何ら示されていない。現在の段階は、公民権の成否が外国に握られている。そういうのは大きく国益を損ねる状態だ」
焦点のひとつが、手記に登場する「A氏」の素性で、記者の質問では
「小池さんに近いところにいるジャーナリストは、この中(会見場)にもいっぱいいるし、取材を『誤爆』で受けられた方もたくさんいると思う」
という指摘も出た。