近年、著名人の写真や名前を無断使用した詐欺広告がSNSで急増し、実際に被害に遭うケースも出ている。こうしたインチキ広告を掲載する運営会社に規制を求める声が強まる中、なぜ詐欺に遭うのかと疑問視する声も上がっている。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「過去の報道やパターンと照らし合わせて、人をだまそうとする手口だと気づくのではないか」と見解を示す。それでも、まんまとお金をだまし取られる人はいる。その心理とは。
自分自身で洗脳していることに近い
この問題を巡っては、なりすまし広告を掲載された実業家の前澤友作氏が、メタ社に対応を求めている。同社が運営するフェイスブックやインスタグラムで、前澤氏を含めた著名人を騙った投資広告が出回っているためだ。
メタ社は2024年4月16日、声明を発表。その内容に納得がいかなかったようで、前澤氏はXでこう怒りをぶちまけた。
「おいおい。まずは謝罪の一言は?社会全体のせい?「審査チームには日本語や日本の文化的背景を理解する人を備えている」なら、俺や堀江さんや著名人が利用された詐欺広告なんてすぐに判別できるでしょ?なめてんの?」
続けて「日本なめんなよマジで」と投稿し、その対応ぶりに不信感を募らせている様子だ。
一方、SNS上の投資詐欺に遭ってしまう人の心理を、井上氏はこう分析した。
「第三者の視点からすれば、広告を信用できる根拠がないと思うのですが、詐欺に遭う本人からすれば、確実性の高い根拠になっている。恐らく自分を自分自身で洗脳していることに近いのだと思います」