人事担当者「インフォーマルネットワークは大事」
都内のIT企業の人事部に長年勤める女性Aさんは「同期入社はかなり大事なんですよ。バカにできません」と明かす。
「就職氷河期は、部署で1人ずつしか新人を採用できませんでした。そうすると孤独感を募らせてやめてしまう社員が結構いたんです。そこでできるだけ複数採用にしたり、人数が少ないうちは新人を特定部署に集めたりして定着を図ったものです」
人事の世界では、組織図にはのらない非公式のつながりを「インフォーマルネットワーク」と呼び、Aさんの会社では、そのような関係構築を促進する取り組みを行ってきたという。
「入社年次で集まって、ホテルに泊まり込みでコンプライアンス研修をしたり、マネジメント研修をしたり、その後に懇親会を開くとか。お互いの悩みを打ち明け合ったりすると、会社への帰属意識が高まり、もうちょっと頑張ろうと思えたりするようです」
ライフイベントが多く発生する年代では、確かに同期との飲み会どころではなくなる時期もある。しかし、それを超えればまた元の関係を取り戻すものだという。
「Xの投稿の逆の話になりますが、激務で疲弊したり、転職する人が出てきて不安が高まったりしたときこそ、同期の関係ができていれば乗り越えられるものです。愚痴を言ってガス抜きをしたり励まし合ったり。そういう話ができるのは、同期だけなんじゃないでしょうか」