「自分でコントロールできるのでは」? なぜ「チック」は誤解されるのか、専門家と当事者に実情を聞いた

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「心が敏感だから」「厳しいしつけをしたから」起こるわけではない

   岡田さんによると、チックとは「非常に素早く、反復するような動きや発声で、自分の意思で抑制が困難な症状」で、声が出る「音声チック」と動作に表れる「運動チック」に分けられる。咳払いや舌打ちといったものを「単純音声チック」、目をパチパチする、肩をすくめるといったものを「単純運動チック」と言い、対して単語を発したり一見意味のある動作のように見えてしまうチック症状は「複雑音声チック」「複雑運動チック」と呼ぶ。

   チックは幼児期や小学校低学年頃によくみられ、子どもにとって「非常にありふれたもの」で多くはそのまま消失する。

   しかし、「チックが消えてまた現れたり、ある時点から持続して、さまざまな運動チックや音声チックが現れる場合があります」といい、これが1年以上認められると「トゥレット症」と言われる。10歳から15歳をピークにして、大人になると症状が軽減する場合が多いが、大人になっても持続する場合もある。小さい頃のチックが、その後、トゥレット症となるかどうかは、「多くの場合は、小さい時の症状では区別がつかない」という。

   要因について岡田さんは、「体質の要素が強い」とし、発症のきっかけも特にないことが多いと説明する。

「心理的なストレスで起こっていると思われることが多く、心が敏感だから、あるいは厳しいしつけをしたら起こるのではないかと誤解されがちですが、そうではない」
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