女性たちに、もっと運動を意識してほしい!
――最後に今回のリポートで、特に強調しておきたいことはありますか。
村松容子さん 運動実施率のデータを見ると、週2回以上運動をしている人の割合はずっと横ばいを続けていますが、全くやらない人が少しずつ増えています。つまり、運動をする人としない人の二極化が進んでいるのです。
特にここ10年間で、男性はずっと横ばい状態なのに、女性が運動をする割合が減り続けていることがとても心配です。
――なぜ、女性だけが減っているのでしょうか。先ほどの「運動=肥満解消」のイメージや、汗ばむことがイヤだという問題がからんでいるのですか。
村松容子さん もっと根本的な問題があると思います。
ここ10年で共働きの女性が増えました。仕事と育児と家事の両立、さらにキャリアップも目指そうと、働く女性の忙しさがぐんと増しています。物理的に運動をする時間がなくなっているのです。
さらに、運動が肥満解消のためのものだと思っていると、中高年になって筋力が落ちてしまい、高齢期に健康を害してしまうことになりかねません。
私が世の女性たちに呼びかけたいのは、運動は肥満防止だけでなく、筋力増強のためにも、とても重要だということです。家族や身近な人と励ましあって、立派な筋肉をつくってほしいと思います。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)
【プロフィール】
村松 容子(むらまつ・ようこ)
ニッセイ基礎研究所主任研究員析
2003年ニッセイ基礎研究所入社。
健康・医療分野における人々の不安・対処動向を研究。人生100年時代を見据え、健康長寿を願うなか、人々がどういった不安を抱えているのか、どういった対策をしているか調査・分析。
また、人々の健康課題の解決に向けて、国の健康・医療に関する政策を、生活者の視点から解釈し、伝えている。