コロナの真っ最中に、運動する人が増えた理由
――「運動しなくては」と頭の片隅に常に意識しておくだけでもずいぶん違うものですか。
村松容子さん はい。まったく違います。スポーツ庁の調査によると、コロナ禍の中では、むしろビジネスパーソンの運動量が増えました。
2018年から2022年にかけての5年間の運動実施率(18歳~79歳)をみると、2018~2019年には80%弱だったのが、コロナの真っ最中の2020年には初めて80%を超えて、最高になったのです。
不要不急の外出の自粛が求められ、「コロナ太り」といった言葉も生まれたほか、子どもの運動不足や体力低下が懸念されるようになった時期です。しかし、こういった生活の中、改めて健康習慣の見直しを行ない、運動を始めた人が増えたのです
自分の時間をコントロールできたこともありますが、何より忙しいビジネスパーソンも「命」と「健康」のことをものすごく意識するようになったことが大きいです。
――私もコロナ当時は、「命」と「健康」のことを考えない日はなかったですね。
村松容子さん 残念ながら、コロナ禍後、「日常」が戻るにつれ、2021年以降は2年連続低下して、元に戻ったばかりか、2018年より運動実施率が低くなりました。現在の統計データはありませんが、もっと低くなっているかもしれません。
コロナが人々に与えた教訓は、常に「健康」を意識するだけで運動習慣は作れた人がいるということです。