運動の効果を実感するには、筋トレがおススメ
――まず、運動が好きになること、楽しくなることが大切というわけですね。
村松容子さん もともと人は、幼少期、動き回ることが好きだと思います。しかし、私は学校教育の体育の授業で、運動へ苦手意識をもってしまった大人が出てきたのではないかと思っています。
特に私の子ども時代は、運動が苦手な子は、体育の授業で目立ってしまいました。たとえば、逆上がりができないと、残されて練習させられた、という思い出がある人も多いのではないでしょうか。器械体操、陸上、水泳...。運動が得意な子の中にも得手不得手があるのに、苦手部分が目立ってしまっていたように思います。
でも、いまの学校教育の体育では、苦手な子も、うまく参加できるよう考えられていると聞きます(笑)。
――体を動かすことが好きになるには、どうすればよいですか。運動が続かないのはどういう理由からでしょうか。
村松容子さん 運動の効果が実感できていない人が多いからだと思います。
そういう人には筋トレがおススメです。短期間で目に見える効果が挙げることができると言われます。たとえばスクワットや腹筋運動などを、無理のないレベルで少しずつ頑張ると、5回しかできなかったのが10回に、10回が20回に、と、面白いほど回数が増えていきます。
太ももの筋肉が目に見えて太くなりますから、サイズを測ると楽しくなります。太ももの周囲を1センチずつ増やすことを目標にすると、大腿筋が数か月であこがれの太さになるようですよ。
――目に見える効果と言えば、私は70代ですが、20年以上前にランニングを始めた時は、歩数計で毎日距離を記録したものです。そして、東海道53次の日本橋から京都までの地図に、今日は箱根を越えたとか、名古屋まで到達したとか、ワクワクしながら線を引いたものでした。
村松容子さん いまは紙ではなく、スマホやアプリですね。
ユーラシア大陸を横断してヨーロッパまで行ったとか、今度は月まで走ろうとか、目標と楽しみがたくさんできるでしょう。目に見えるかたちで、自分の「頑張り」が見えると続きやすいと思います。
大学受験の時に、ノートを何冊使ったとか、短くなった鉛筆をコレクションしたとか、「これだけ頑張ったのだから大丈夫、合格する」と自分を励ますのと似ていると思います。
社会人になってウォーキングを始めてからは、シューズを履きつぶして新しいものを買うのが楽しみとなりました。