働き盛りにおススメ!忙しくても「運動を習慣化する秘訣」 運動する喜びの「引き出し」多く持つ/ニッセイ基礎研究所・村松容子さん

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

運動=生活習慣病予防のイメージが強すぎる

   J‐CASTニュースBiz編集部は、ニッセイ基礎研究所研究員の村松容子さんの話を聞いた。

――なぜ、女性のほうが男性よりも健康意識がかなり高いのに、男性よりも運動習慣を持つ人が非常に少ないのでしょうか。その落差が大きくて、じつに不思議です。

村松容子さん 私が運動と健康に関して大きな課題だなと感じているのは、「運動=肥満抑制・生活習慣病予防」というイメージがあまりに浸透しすぎている点です。

運動が「肥満解消」と強く紐づけられているため、運動しない女性が多いのは、「自分は太っていないから大丈夫」という思いもあるのではないかと考えています。

現実に、女性は男性と違って中高年になっても「メタボ」が問題になるほど太っている人は少ないです。普段から食生活を充実させ、食べ物の栄養バランスをしっかり考え、ある程度体型をキープしていれば、健康でいられると考えています。だから、もっとやせたいとダイエットや美容を目的にする女性以外は、あまり運動の必要性を感じていない傾向が見られます。

それと、男性より家事を行なっている人も多いでしょうから、生活の中で体を動かしているのでわざわざ運動をしなくても、身体は十分に動かしているという意識も感じられます。

――「運動は生活習慣病の予防につながる」と広まっている情報が、功罪を生んでいるわけですね。

村松容子さん 私はそのように感じています。運動の効果は生活習慣病の予防だけではありません。特に女性に多い骨粗しょう症の予防につながります。最近は運動不足によって、小学生が跳び箱を跳んだだけで手首の骨が折れることがあるなど指摘されることもあります。

特に女性は、高齢期になると、男性以上に筋肉や骨の衰えが激しくなります。若い時から運動を習慣づけないと、高齢になってから始めるのは難しくなります。とりわけ、筋力と骨密度を増す筋肉トレーニング(筋トレ)は若い時からやっておく必要があります。

――しかし、ヨガやピラティスなどを行なっている女性は増えているのでは。

村松容子さん ヨガとかストレッチといったリラクゼーション系の運動は、体を整えることが中心になっています。

厚生労働省が「健康づくりのための身体活動基準2023」で推奨している「息が弾み、汗をかく程度(3メッツ以上の強度の)身体活動を週60分以上」という基準に照らし合わせると、運動量が足りていないことになります。

また、女性は運動をして汗ばむのはイヤだ、汗臭い体で電車に乗りたくないという意識が強い人もいます。かといって、スポーツジムなどでシャワーを浴びるのも、着替えたり、お化粧直しをしたりするのが面倒だという人も少なくありません。
姉妹サイト