解散したロックバンド「ゆらゆら帝国」のベーシスト、亀川千代さんが2024年4月7日に死去した。54歳だった。9日、バンドのギター・ボーカルをつとめていた坂本慎太郎さんがXで明らかにした。
「静かに佇みながら静かに時に激しく黙々とうねるベースを弾いてる姿はまさに日本の低音職人だったと思います」
坂本さんは「初めて会った時は19歳だった亀川くん 僕とバンドを組んでくれてありがとう 最高のベーシストでした 安らかに」と報告した。添えられた文書によると、亀川さんはかねてより病気療養中だったという。
親交のあったギタリストの田畑満さんも同日、Xで「悲しいお知らせです 亀川千代君が先日4月7日にお亡くなりになられました」と訃報を伝え、「亀ちゃん 一緒に音楽ができて本当に嬉しかった 今まで本当にありがとう また会おうね」と呼びかけた。「御家族には静かに過ごしていただきたいので どうかご配慮をよろしくお願いいたします」ともつづっている。
亀川さんが所属していたバンド「ゆらゆら帝国」は、1989年から2010年にかけて活動していたロックバンドだ。亀川さんは前髪とフェイスラインをぱつっと切りそろえた特徴的なロングヘアーで、ライブでは棒立ちのような姿勢で演奏するという、独特の雰囲気を持つベーシストだった。
結成から21年で「完全に出来上がってしまった」ことを理由に解散
バンドは結成から21年が経ち、「完全に出来上がってしまった」ことを理由に解散するも、再結成を望む声が相次いでいた。
突然の訃報に、多くの音楽ファンから惜しむ声が寄せられている。
「亀川千代のベースが好きでベースを始めた中学時代。亀川千代のステージを見たくて、学校から灰野敬二のライブに向かった高校時代。披露する場もないのに発光体のベースラインをなぞった。この人が...、という方ばかり訃報が流れる。お悔やみ申し上げます」
「静かに佇みながら静かに時に激しく黙々とうねるベースを弾いてる姿はまさに日本の低音職人だったと思います 最高の低音音楽をありがとうございました」
「ゆらゆら帝国のライブを初めて見たときヤベエ! と衝撃を受けたのがギターとドラムにヒタヒタと絡みつくベース音。寡黙な佇まいから発せられるその音は、行き場のない衝動も行間も湿度も伝わってくるような聴くほどに味わい深いものでした。感謝」
初めて会った時は19歳だった亀川くん
— zelone records (Shintaro Sakamoto) (@zelonerecords) April 9, 2024
僕とバンドを組んでくれてありがとう
最高のベーシストでした
安らかに。
坂本慎太郎 pic.twitter.com/yC0ei2wr7a