万博と震災復興「どちらが優先順位...ということではない」 大崎洋氏が「延期論」に反応

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   2025年の大阪・関西万博の開催が1年後に迫るなか、東京・丸の内の日本外国特派員協会で24年4月9日、万博に向けた準備状況を説明する記者会見が開かれた。

   万博をめぐっては、人手不足による人件費上昇や資材費の高騰が原因で、会場建設費だけでも当初想定の1.9倍にあたる最大2350億円に膨らんでいる。そんな中で24年1月に能登半島地震が発生。万博よりも地震の復旧復興を優先すべきだとする声も噴出している。記者会見には、万博関連イベントのあり方を検討する「催事検討会議」共同座長を務める大崎洋氏らが出席。この点を問われた大崎氏は「どちらが優先順位......ということではない」などとして、万博と震災復興とで優先順位を設定すべきではないとの考えを示した。

  • 記者会見で発言する大崎洋氏。万博「催事検討会議」共同座長を務めている
    記者会見で発言する大崎洋氏。万博「催事検討会議」共同座長を務めている
  • 会見冒頭の写真撮影には「ミャクミャク」も登場
    会見冒頭の写真撮影には「ミャクミャク」も登場
  • ミャクミャクは大崎洋氏に支えられながら会場を後にした
    ミャクミャクは大崎洋氏に支えられながら会場を後にした
  • 2022年7月には1000日前イベントが開かれた(写真は首相官邸ウェブサイトから)
    2022年7月には1000日前イベントが開かれた(写真は首相官邸ウェブサイトから)
  • 「ミャクミャク」はG7広島サミットでも大人気だった
    「ミャクミャク」はG7広島サミットでも大人気だった
  • 記者会見で発言する大崎洋氏。万博「催事検討会議」共同座長を務めている
  • 会見冒頭の写真撮影には「ミャクミャク」も登場
  • ミャクミャクは大崎洋氏に支えられながら会場を後にした
  • 2022年7月には1000日前イベントが開かれた(写真は首相官邸ウェブサイトから)
  • 「ミャクミャク」はG7広島サミットでも大人気だった

関西の新聞も社説で「能登の復興に集中すべきだ」「復旧の足かせなら開幕延期を」

   万博をめぐっては、関西地区のメディアからも延期論が噴出している。社説だけでも

「どうする大阪万博 能登の復興に集中すべきだ」(2月10日、京都新聞)
「能登地震と万博/復旧の足かせなら開幕延期を」(3月1日、神戸新聞)

といった具合だ。京都新聞の社説では、前回のドバイ万博がコロナ禍で1年半延期されたことに言及しながら、

「本紙は昨年から万博の延期・縮小の検討を主張してきたが、震災を踏まえ、改めて強く求める」

と主張している

   記者会見では、「被災地の復興を優先すべき」だとする議論があることへの見解を求める質問が出た。大崎氏は、

「能登半島のことは僕もよく分からないが、日本政府全体としてどういう手当てをするか、ということで考えていると思うので、そのことと万博の祭事のこととは比べてどう、どちらが優先順位......ということではないと思う」

と応じた。大崎氏同様に共同座長を務めている、華道家元池坊の次期家元の池坊専好氏は

「これは本当に部分的ではなくて、大きな政府としての枠組み、考えの中で、解決できる......金銭的なとか、あるいはサポートの仕方などを考えていく必要があるのではないかととらえている」

と話した。

ハードにとどまらず「人と人の出会いのようなこともレガシーになるのではないか」

   大崎氏は吉本興業ホールディングスの会長などを歴任。性加害疑惑報道をめぐって週刊文春と係争中で、芸能活動を休止している「ダウンタウン」松本人志氏を引き続きアンバサダーに起用するかを問われた大崎氏は、

「ご存じのように今係争中なので、コメントは控えるしかないと思う。仕事は全面的に休職するということなので、休職しているということだと思う」

と話すにとどめた。大崎氏は、若手時代のダウンタウンを「発掘」し、マネジャーを務めたことで知られている。

   この日の記者会見では、参加国が行う「ナショナルデー」や「スペシャルデー」について発表。万博に公式に参加表明している161か国・地域、9国際機関のうち、101か国・地域、4国際機関の日程が決まったとしている。大崎氏は、多くの国・地域から人が集まることの意義を

「いつの時代も戦争・紛争はなくならないのかもしれないが、違う出会いをして、違う解決方法のようなことが、あるやもしれない。そんな風に進んでいければ。そういう意味でのレガシーは、もちろんハード、建物やリング......いろいろなことがあるが、人と人の出会いのようなこともレガシーになるのではないか」

などと説いた。公式キャラクター「ミャクミャク」も登場し、会見冒頭の写真撮影を盛り上げた。

(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)

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