ディスカウントストアの「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルHDは2024年4月8日、渋谷・道玄坂に店舗を構えており、7日に閉店した「ドミセ 渋谷道玄坂通ドードー店」の跡区画に、「キラキラドンキ 渋谷道玄坂通ドードー店」を4月23日にオープンすると発表した。
4月5日には、店舗の閉店について、「大々的なオープンから1年を待たずして閉店という一番の『おドろき』を提供する事態になりました」と発表。今後は「お客様が『ワクワク・ドキドキ』する、そして『キラキラ』と輝く笑顔になれるようなお店を」としていたのが、数日後には新たな展開を発表したかたちだ。
新たにオープンする「キラキラドンキ」では、α世代やZ世代に人気の商品やSNSで話題の最新アイテムを取りそろえるという。「渋谷に新たな歴史を刻みます」としている。
向かいには「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」が営業 同店の魅力をうまく発信しきれなかった
「ドミセ 渋谷道玄坂通ドードー店」は、「おドろき専門店」をコンセプトとした業態の店舗。2023年8月に1号店としてオープンした。ドン・キホーテのオリジナル商品ブランド(ピープルブランド・PB)「情熱価格」のなかでも選りすぐりの商品などを扱っていた。
同店は、店舗のつくりがユニークだった。店内のレイアウトは、「ドすべり」や「ドこたえ」といった独自コーナーを展開。
たとえば、「ドすべり」は、商品担当者が売れると思って開発したものの、うまく訴求できなかった商品。「ドこたえ」は、消費者からのいわゆる「ダメ出し」によって生まれ変わった商品といったように、「ワクワク・ドキドキ」の仕掛けで楽しませていた。
そんな個性的な店舗運営で「驚き」を提供していた「ドミセ 渋谷道玄坂通ドードー店」だったが、閉店の理由について同社は4月5日の発表で、「『おドろき』の結末・・・・オープンから1年未満で閉店の理由」として、次のように説明した。
「同店が入る複合商業ビル『道玄坂通』の向かいには、MEGAドン・キホーテ渋谷本店が営業をしています。渋谷本店でもPB商品は販売しており、かつ、多くのメーカー品も取り揃えているため、流行やカルチャーの発信地として国内外から注目を集める『渋谷』という街でお買い物をされるお客様の足が渋谷本店で留まる状況でした。同店の魅力をうまく発信しきれていないことも相まり、結果的に想定していた集客を達成できない状況が続き、閉店の判断に至りました」
さらに、店舗のコンセプトさながらひねりをきかせて、リリースはこう続く。
「『ドミセ』は、ドを超えた驚きが集まる『おドろき専門店』をコンセプトに掲げていますが、同店に関しては、大々的なオープンから1年を待たずして閉店という一番の『おドろき』を提供する事態になりました」
そのうえで、今後については「お客様が『ワクワク・ドキドキ』する、そして『キラキラ』と輝く笑顔になれるようなお店を作るべく、果敢な挑戦を続けてまいります」と書いていた。
なお、23年9月にオープンした「ドミセ」2号店の「ドミセ アリオ八尾店」(大阪)は好評で、引き続き営業するという。