「周囲に合わせなくていい。職場で一番になれるスキルを!」 劣等感に悩む若手がハッとした上司の一言(1)

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「自分が一番」と言えるものを身に付けなさい!

   Nさんが、入社後3か月の新人研修を経て配属になったのは、関西エリアの事業所でした。

   東京本社勤務を熱望していたので、大きなショックを受けました。関西で生まれ育ったNさんの憧れは、東京で働くこと。情報や人が集まり、グローバルにもキャリアが拓けると期待していたからです。

   しばらく落ち込んでいたものの、前向きなNさんは、いつか絶対に東京勤務を果たそうと目標に決め、気持ちを切り替えました。

   Nさんの配属は、関西エリア顧客企業のITサポート業務。システムを保守するエンジニアです。当初の半年間はOJTや資格取得のための勉強と研修の毎日。ここでNさんは、想定以上の苦戦を強いられます。

「3か月経っても、ほぼ何も習得できていない。同期は理系の人ばかりで、基礎が違う。周りはどんどん成長していくのに、私は置いて行かれるばかりだ...」

   文系出身のNさんは、求められる学習スピードに全くついていけなかったのです。

   焦ったNさんは、勇気を出して、自分が何も分かっていない現状を直属上司に打ち明けました。すると、上司からは意外なアドバイスが。

「周りに合わせることや、追いつくことばかり考えなくていい。うちのチームには、同じスキルを持った人はいらないんだ。自分が一番と言えるスキルを身に付けて、チームを支えてほしい!」

   他のメンバーと同じ力を身に付け、早く追いつかなくてはと思っていたNさんには、目からウロコでした。

   そこで、上司からのアドバイスを受ける中で、大手ソフトウェア企業認定資格の取得を目指すことに。当時、チーム内にその資格を持つエンジニアは希少だったので、「これだ!」と決めたのです。

   Nさんは、さっそく勉強を始めますが、全7科目への合格が必要。1科目につき1週間、計7週間のトレーニングをクリアしなければなりません。

   そのためには、早朝・夜間、週末もすべて費やして猛勉強。しかも、要所でのスクーリングは東京開催。ただ、その都度、東京に行けることを楽しみに通い通し、難関資格を半年の短期間で取得したのです。

   資格取得に成功し、一歩前進したNさん。この頃から、東京に行きたい一心だった心境から変化が表れてきます。

「関西で働き続けることは本意ではない。でも、何も貢献できずに東京に転勤するのも嫌だ。私に資格取得を勧めてくれた上司のためにも、きちんと実績を残していきたい...」

   Nさんは、そう考えるようになっていました。

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