千葉県松戸市内の流鉄・流山線の踏切で、男児が線路に置き石をするのを住民が目撃し、X上に写真などで報告した。
電車が線路を通過後に衝撃音が届いたので気づき、近くにいた母親に厳重注意したという。その状況について、投稿者の住民に話を聞いた。
「建物がドンと揺れたので地震?と思い確認したら...」
「あっちへ、あっち」。こう声が響くと、赤い帽子を被った男児が踏切に来て、線路上にしゃがみ込む。
2024年4月6日の土曜日は、沿線の桜が満開状態で、多くの花見客が周辺に鑑賞に訪れていた。
男児は、すぐに立ち上がって、電車が来そうな方向を見た後、踏切からいったん離れた。警報が鳴って、遮断機が降りると、黒い帽子を被り赤い上着を着た母親とみられる女性が男児を連れて、踏切まで来た。男児は、スマホで電車を撮影している。
「バーン!」。電車が踏切を通過するとき、大きな破裂音が響く。その瞬間、男児は、「ワッ」と声を上げ、母親に何かを話しかける。母親が離れた後、電車が走り去るのを見届けると、今度は反対方向の電車を見るような様子をして、またしゃがみ込んでいた。
この映像は、X上で置き石を報告したトレインタイムスさん(@TrainTimesCIC)が6日、ユーチューブチャンネル(@traintimesch)のライブカメラ動画として投稿した。
トレインタイムスさんは同日、この日の14時28分、松戸市新松戸の4号踏切で、この男児が線路に置き石をして、馬橋行き上り電車が石の上を通過した、とX上で報告した。潰された石や傷ついた線路の写真も投稿している。
トレインタイムスさんは、踏切近くに住んでおり、男児がまた線路に置き石したのを目撃し、現場に行って石を取り除くとともに、男児の母親に厳重注意したという。「建物がドンと揺れたので地震?と思い確認したら... 大馬鹿者!!」と嘆いていた。
母親に注意すると、男児に「ちゃんと言います」と答える
トレインタイムスさんが注意しに行った映像は、ライブカメラに残っている。それを見ると、踏切にいた男児に「線路に石、置いちゃダメだよ」と声をかけ、男児は、驚いた様子でトレインタイムスさんの方をじっと見ていた。
その後、トレインタイムスさんは、線路の置き石を右足で避け、しゃがんで線路の様子を見た。その後、桜の下にいた母親に何か声をかけ、母親は、頭を下げていた。トレインタイムスさんは、自宅にいったん戻ると、カメラを持ち出して、置き石があった線路を撮影した。
トレインタイムスさんのX投稿によると、男児は、3、4歳ぐらいに見えた。電車が轢いた石が飛び散ってケガ人が出たりする恐れがあることから、母親に注意すると、男児に「ちゃんと言います」と答えた。母親は、事の重大さに気づかず人混みの中に消えて行ったというが、置き石の前後に男児を注意していたという話も花見客から聞いたといい、別の子どもに気を取られて気づかなかった可能性もあるとした。
トレインタイムスさんが花見客に聞き回ったが、ケガをした人はいなかった。旧国鉄で警備設計・実務を担当していた経験から、線路などの傷も軽微だったため警察には通報しなかったというが、「一般の方は迷わず警察へご連絡を」と呼びかけていた。
置き石があったときの状況について、トレインタイムスさんは4月8日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「14時28分の馬橋行列車が通過した際に『ガシャン』と言う音の瞬間に遅れて振動があり、最初は地震かと思いましたが音が『先』だった様な『違和感』がございましたので周囲を窓から見ますと男の子が線路に石を置いたのを視認し、飛んで行って『ダメだ』と叱って石を撤去しました。その際に砕けた石と線路上に痕跡も確認しましたのでカメラを取りに戻り、その男の子と親御さんを追いかけて『大事故にも大事件にもなりますよ。絶対にやらせないで』と厳重に注意した次第です」
流鉄「置き石は確認していないが、親は子どもの行動に注意を」
警察などに通報しなかった理由については、こう述べた。
「鉄道勤務と共に警備指揮の経験から、『砕石による負傷者』の検索を優先したものでクドクドとお母さんに説教などしなかったものです。もしも一般市民に負傷者があった場合は『事案』ではなく『事件』になりますので対応が大きく変わりますし、その親子さんは警察と流鉄さんに通報し事件を引き渡す必要があるからでございます。更に厳重注意で看過した最大の事由は、当該列車が停止していないこと、もしも運転士さんが危険を察知する様な衝撃を感知したのであれば当然ブレーキを掛けて止まります。それが無い事から運転が継続不能となる状況ではなかった、と判断したものです。男の子本人と保護者に注意通告をする以上の事が一人では出来なかった事、負傷者の検索が優先でしたので先に3、4言の注意をした...のが精一杯でした」
ユーチューブに投稿したライブカメラ動画は、自宅の定点カメラから撮影したものだとした。
男児による置き石について、流鉄(千葉県流山市)の鉄道部は4月8日、取材に対し、「運転士が音に気付いたか分かりませんが、置き石は確認していません」と答えた。X上で報告があった6日は、運行の遅れなども報告されていないという。
「置き石は、めったにありませんが、運行に支障があれば、確認して対処します。置き石は、過去に何回かありますが、事故は起きていません。運転士が前方を確認していますので、大きな石や障害物にぶつかることはまずありません。電車の前には、大きな石などを取り除く排障器が設置されていて、それで取り除くこともできます。ただ、置き石は危ないことですので、親の方は子どもの行動に注意してほしいと思っています」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
【置石事案発生】
— トレインタイムス(YouTubeにてLIVE他公開中) (@TrainTimesCIC) April 6, 2024
2024年4月6日14時28分、千葉県松戸市新松戸?流鉄流山線4号踏切道にて幼児が置石をして馬橋行列車が通過、砂利は破砕したものの続けて軌条に置石をしたのを視認し、急遽現場へ行き撤去し保護者に厳重注意。
建物がドンと揺れたので地震?と思い確認したら...
大馬鹿者!!!!!!!!!! pic.twitter.com/AEeS6HcI4r