VRで「マンション防災」学ぶ 横浜市民防災センターが訴える「水、トイレ、備蓄の重要性」

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   国内外で「地震」の話題が後を絶たない。避難所生活の長期化が取り沙汰され、被災してから備えるのでは遅い、と感じている人が少なくないだろう。

   神奈川県の体験型防災学習施設、横浜市民防災センターは2024年4月2日、VR自由体験コーナーに新たなVR動画を追加した。「マンション防災」をVR(仮想現実)で学ぶ、映像コンテンツだ。専用のVRゴーグルをかぶり、地震発生時から避難生活までを自分事のように体験できる。同センター職員を取材した。

  • 「マンション防災」をVRで学ぶ(横浜市民防災センター公式サイト提供、以下同)
    「マンション防災」をVRで学ぶ(横浜市民防災センター公式サイト提供、以下同)
  • 「ダイワハウス presents マンション防災考えるーム」。VR体験以外にもさまざまなコーナーがある
    「ダイワハウス presents マンション防災考えるーム」。VR体験以外にもさまざまなコーナーがある
  • 横浜市民防災センターには4つの役割があり、災害時の応急活動拠点にもなる
    横浜市民防災センターには4つの役割があり、災害時の応急活動拠点にもなる
  • 横浜市民防災センターのフロアマップ。VR自由体験コーナーは2階
    横浜市民防災センターのフロアマップ。VR自由体験コーナーは2階
  • 「マンション防災」をVRで学ぶ(横浜市民防災センター公式サイト提供、以下同)
  • 「ダイワハウス presents マンション防災考えるーム」。VR体験以外にもさまざまなコーナーがある
  • 横浜市民防災センターには4つの役割があり、災害時の応急活動拠点にもなる
  • 横浜市民防災センターのフロアマップ。VR自由体験コーナーは2階

横浜市は全住宅数の約6割がマンション

   VR自由体験コーナーではもともと、避難通報や初期消火といった「災害の疑似体験」を、5~8分ほどの映像コンテンツとして提供してきた。

   今回追加されたのは、(1)地震発生時、(2)地震発生後、(3)避難生活 の3テーマ、4本の動画だ。

(1)地震発生時:事前の備えとは。地震発生直後、あなたはどう行動する?
(2)地震発生後:地震の揺れがおさまった後......果たして家の中は安全か
(3)避難生活:マンションでの避難生活。あなたの備えは大丈夫?

   ポイントは「『マンション』防災」である点。横浜市は全住宅数の約6割をマンションが占めているという、地元の住宅形態を踏まえた情報発信をしている。

   地震発生後、建物自体に問題はなくても、水道が使えなくなる事態は起こりうる。マンション高層階の住民は、エレベーターが不通になると地上との行き来にもひと苦労だ。こうしたトラブルを想定し、「水や簡易トイレをはじめとした、備蓄の重要性を訴えたい」と職員は話す。

「防災と聞くと少し堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、VR体験を通じて楽しみながら危機意識を高めていってほしいです」

楽しく学んでしっかり備えて

   横浜市民防災センターのキャッチフレーズは、「楽しく学んでしっかり備える」。多くの来場者にとって目新しいであろうVRゴーグルが関心を惹きつけ、「ちょっと体験してみようかな」と前向きな気持ちにさせてくれるのでは、と期待を寄せている。

   なお、VRゴーグル「Meta Quest2」には年齢制限があり、10歳未満は利用できない。ただ11歳以上の同伴者や保護者がゴーグルをかぶり、見えている景色をモニターに投影することで体験を共有できる。

VR体験者が見ている景色を、モニターに投影できる(横浜市民防災センター公式サイト提供)
VR体験者が見ている景色を、モニターに投影できる(横浜市民防災センター公式サイト提供)
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