GAFAは日本で税金払わない? アマゾンに東京国税庁が追徴課税した過去もあるが

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   米グーグルやアップルやアマゾンなどの、いわゆるGAFAが「日本で税金を払っていないのではないか」という声を耳にすることがある。国民の多くがサービスを利用し、莫大な利益を得ているはずなのに、なぜだろうか。

   これにはITの時代になって、企業に対する課税の手法が様変わりしたことが大きい。経済が製造業主体だった時代は、事務所や工場などのように事業を継続的に行う場所(恒久的施設と呼ぶ)が物理的に存在するところに税金をかければ良かった。しかしITの時代になり、どこの国や地域で課税するべきかを判断するのが難しくなった。そこで、税金をいかに安く抑えるかについての手法が発達した。

  • GAFAを構成するグーグル、アップル、フェイスブック(メタ)、アマゾン(写真:ロイター/アフロ)
    GAFAを構成するグーグル、アップル、フェイスブック(メタ)、アマゾン(写真:ロイター/アフロ)
  • アマゾンへの課税に東京国税局が動いた
    アマゾンへの課税に東京国税局が動いた
  • アイルランドの首都ダブリン
    アイルランドの首都ダブリン
  • どれほどの税収を取りこぼしているのか
    どれほどの税収を取りこぼしているのか
  • 現代は納税額を安く抑える手法が発達
    現代は納税額を安く抑える手法が発達
  • GAFAを構成するグーグル、アップル、フェイスブック(メタ)、アマゾン(写真:ロイター/アフロ)
  • アマゾンへの課税に東京国税局が動いた
  • アイルランドの首都ダブリン
  • どれほどの税収を取りこぼしているのか
  • 現代は納税額を安く抑える手法が発達

日本の法人実効税率は高め

   最も広く行われるのが、国や地域による税率の違いの利用だ。日本の法人実効税率は、29.74%。米国の25.77%や英国の25.00%など、他の主要国と比べて高めである。グローバルに活動している企業にしてみると、日本で得た利益を税率の低い国に付け替えることができれば、税金が減らせるということだ。

   そこで各社は、さまざまな策を弄する。例えばアマゾンは千葉県市川市に、配送センターを持っていた。同社はこう主張する。「倉庫はモノを一時保管しているだけなので、恒久的施設ではない。したがって日本で課税されるべきではない」と。それに対して日本政府は「あの巨大な配送センターは、事業の中核的存在だ」と主張する。

   2009年7月5日付の朝日新聞は、東京国税局がアマゾンの配送センターを恒久的施設として、同社に追徴課税処分をしていたことを報じた。これについて、日米当局が交渉していたとも伝えている。しかし日米租税条約下で、日米二か国が交渉して日本の言い分が通るはずもなく、税金は大して取れていないと見られる(公表されないので、本当のところはわからない)。

姉妹サイト