「生活が苦しくなる」電気料金値上げ 「最も安いサービスはどれだ」電力会社を比較した

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   電気料金が2024年5月分から値上がりする。SNS上では、「勘弁してよ」「生活が苦しくなる」などと悲鳴を上げる声が相次いでいる。

   電気・ガス料金比較サイト「エネチェンジ」を運営するENECHANGE(東京都中央区)は、再生可能エネルギー普及のために電気代に上乗せされる「再エネ賦課金」が引き上げられ、物価高騰対策のための電気・ガス料金の軽減措置も5月分で縮小するため、どの電力会社も等しく値上がりすると取材に説明する。そこでJ-CASTニュースBiz編集部は、「安い」サービスを提供するのはどの電力会社かを探った。

  • 安い電力会社はどこになる?
    安い電力会社はどこになる?
  • 5月分で縮小する電気・ガス料金の軽減措置(経産省エネルギー庁のサイトより)
    5月分で縮小する電気・ガス料金の軽減措置(経産省エネルギー庁のサイトより)
  • 2024年度より引き上がる「再エネ賦課金」(経産省のサイトより)
    2024年度より引き上がる「再エネ賦課金」(経産省のサイトより)
  • 電気の調達方法が異なる各電力会社
    電気の調達方法が異なる各電力会社
  • ENECHANGEの電気・ガス料金比較サイト「エネチェンジ」(同サイトより)
    ENECHANGEの電気・ガス料金比較サイト「エネチェンジ」(同サイトより)
  • 安い電力会社はどこになる?
  • 5月分で縮小する電気・ガス料金の軽減措置(経産省エネルギー庁のサイトより)
  • 2024年度より引き上がる「再エネ賦課金」(経産省のサイトより)
  • 電気の調達方法が異なる各電力会社
  • ENECHANGEの電気・ガス料金比較サイト「エネチェンジ」(同サイトより)

「負担軽減措置」6月には完全終了

   経済産業省によれば、24年度の再エネ賦課金は1キロワット時(kwh)あたり3.49円になる。23年度の賦課金は1.40円だったため、24年度は2.09円高くなる。

   一方、物価高騰対策として続けてきた電気・ガス料金の負担軽減措置は5月の使用分までで終了。電気料金については1 kwhあたり、家庭向けで3.5円、企業向けで1.8円を補助してきたが、5月の使用分では半分程度に縮小。6月からは負担軽減措置が完全に終了する。

   J-CASTニュースBizでは前出のENECHANGEに取材。従来のプラン、同社サービス掲載の最も料金の安くなるプラン、そのほか供給量の多い新電力8社の合計10社で5月分の料金を比較してもらった。30アンペア(A)で260 kwhという平均的な家庭の使用分で、関東地方を中心とした東京電力エリアで試算している。

   最も一般的な従来のプランとしては、ENECHANGEは「東京電力エナジーパートナー」のプラン「従量電灯B」を挙げた。4月料金は7577円だが、5月料金は8580円に値上がりするという。

   最安プランは、先述した「エネチェンジ」に掲載された電力会社「シン・シナジー」の「きほんプラン」だ。4月料金は6509円で、5月料金は7593円に変わる。なお、公表されている暫定単価にて計算したものだ。

   そのほかの電力会社では、先述した「東京電力エナジーパートナー」とあまり変わらない電気料金が多い。試算してもらった10社のうち2社では、5月料金で1万円を超えるものもあるという。

料金メニュー「見直しにより多様化」

   そもそも電気料金が安い会社があるのは何故か。ENECHANGEによれば、電力会社によって電気の調達方法が異なるため、燃料費や市場価格などの料金に影響する項目やタイミングが会社ごとに違う。

   市場価格が比較的落ち着く時期は、市場連動の電気料金プランが割安になることが多いという。また、各社はガスなどのサービスと合わせたプランほか、使用する時間帯が異なる利用者向けにさまざまなプランを用意している。そのため、使い方や時期によって「安い電力会社」が変わると説明する。

「料金メニューも見直しにより多様化しており、電気の使い方にあったプランを選択することで、電気料金の削減につながることもあります。新電力会社も含めた選択肢から、使い方に合わせて最適なプランへの見直しをすると良いでしょう」

   一方で、新電力会社についてはこんなデータも。帝国データバンクの3月28日の発表によれば、24年3月時点で撤退や倒産した新電力会社は119社にのぼり、2年前から7倍増だという。

   ENECHANGEによれば、事業撤退が増えたのは燃料価格や市場価格が高騰した22?23年の期間。当時に比べ、価格が落ち着いたことや料金メニューの見直しが進んだことで、事業撤退や倒産のピークは過ぎているという。だが、新電力会社の選択を検討するうえで、安定供給面や経営面を気にする人もいるだろう。

   だが同社は、大手電力会社も新電力会社も安定供給における差はないと説明する。どちらも同じインフラを利用しているためだ。

   また、新電力会社が事業を撤退したり倒産したりしても一定期間は一般送配電事業者を通して電気の供給を受けられる。それでも不安があれば、「『東京ガス』や『大阪ガス』のようなガス会社、『コスモでんき』『出光興産』のような大手の燃料会社が母体の電力会社を選択するという方法もあります」と紹介している。

姉妹サイト