料金メニュー「見直しにより多様化」
そもそも電気料金が安い会社があるのは何故か。ENECHANGEによれば、電力会社によって電気の調達方法が異なるため、燃料費や市場価格などの料金に影響する項目やタイミングが会社ごとに違う。
市場価格が比較的落ち着く時期は、市場連動の電気料金プランが割安になることが多いという。また、各社はガスなどのサービスと合わせたプランほか、使用する時間帯が異なる利用者向けにさまざまなプランを用意している。そのため、使い方や時期によって「安い電力会社」が変わると説明する。
「料金メニューも見直しにより多様化しており、電気の使い方にあったプランを選択することで、電気料金の削減につながることもあります。新電力会社も含めた選択肢から、使い方に合わせて最適なプランへの見直しをすると良いでしょう」
一方で、新電力会社についてはこんなデータも。帝国データバンクの3月28日の発表によれば、24年3月時点で撤退や倒産した新電力会社は119社にのぼり、2年前から7倍増だという。
ENECHANGEによれば、事業撤退が増えたのは燃料価格や市場価格が高騰した22?23年の期間。当時に比べ、価格が落ち着いたことや料金メニューの見直しが進んだことで、事業撤退や倒産のピークは過ぎているという。だが、新電力会社の選択を検討するうえで、安定供給面や経営面を気にする人もいるだろう。
だが同社は、大手電力会社も新電力会社も安定供給における差はないと説明する。どちらも同じインフラを利用しているためだ。
また、新電力会社が事業を撤退したり倒産したりしても一定期間は一般送配電事業者を通して電気の供給を受けられる。それでも不安があれば、「『東京ガス』や『大阪ガス』のようなガス会社、『コスモでんき』『出光興産』のような大手の燃料会社が母体の電力会社を選択するという方法もあります」と紹介している。