チームの苦境で、白星をつける。まさにエースの働きだ。
巨人の菅野智之投手が今シーズン(2024年シーズン)初先発となった4月4日の中日戦(バンテリンドーム)で7回4安打無失点の好投。チームの連敗を3で止め、中日戦の同一カード3連敗を阻止した。
7回に入っても直球は150キロ 球威は最後まで衰えず
この日は、初回に1番の三好大倫に四球を許したものの、後続を抑え、3回まで無安打の快投だった。
22年6月17日の中日戦(バンテリンドーム)以来657日ぶりの先発バッテリーを組んだ小林誠司の配球も光った。
4回以降は走者を許したが、3イニング連続併殺打に切り抜けてピンチを広げない。
視野の広さを感じさせたのが5回だ。
1死一塁で木下拓哉のピッチャー返しにグラブを一度差し出したが、打球の方向を瞬時に判断して捕球せず。思惑通りに二ゴロ併殺打に仕留めた。
7回に入っても直球は150キロ台を計測。球威が最後まで衰えなかった。
オープン戦で好投を重ねて、先発ローテを勝ち取る
かつての絶対的エースも、昨シーズンは自己最少の4勝。力の衰えがささやかれた。
今シーズンは先発ローテーションが確約されなかったが、オープン戦で好投を重ねて6枠目を勝ち取ると、今季初先発で申し分のないパフォーマンスを見せた。
「全盛期のような投球でしたね。菅野が伸び悩んでいた時期は生命線の直球が走らず痛打を浴びていましたが、今年は球威十分で打者を差し込んでいる。完全復活が近いと感じましたし、ああいう投球ができれば、安定して長いイニングを投げられる。2ケタ勝利に十分に手が届くでしょう」(スポーツ紙記者)
阿部慎之助監督にとっても、マウンド上の姿が頼もしく映っただろう。まだまだ若手に負けない。菅野が力強い一歩を踏み出した。(中町顕吾)