「ネットに名前晒しますから」現場の「カスハラ」どう防ぐ? ビジネスネーム導入、名札を「苗字のみ」...取り組みを取材

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過去3年に「カスハラ」経験した人は15%

   近年、顧客による企業などへの不当な嫌がらせ、いわゆる「カスハラ」(カスタマーハラスメント)への注目が高まっている。矢面に立つ従業員個人がターゲットになるケースもあり、厚生労働省が2022年に公開した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、「従業員個人への攻撃、要求」などがカスハラの例として挙げられている。

   過去3年間(調査実施時期は20年10月)に勤務先でカスハラを1度以上経験した人は15.0%との結果も掲載されている。また、ハラスメントの該当件数の傾向の調査では、過去3年間にカスハラに該当する事案があったと回答した企業は92.7%で、パワハラやセクハラなどに比べて高い割合となっている。

   こうした観点から、従業員が特定されるきっかけとなる「名札」の記載内容を見直す動きがある。Xなどでは「カスハラ」対策の文脈から、京王バスの取り組みを評価する声が多いようだ。

   実際のところ、京王バス側の目的はどこにあるのか。今回の導入の理由を京王バス側は、「お客様が乗務員に対し親しみもっていただき、より当社グループに愛着を持っていただけるよう、氏名形式である『ビジネスネーム』を採用いたしました」と説明する。

   バス内に設置したアンケートはがきや電話、投書などを含め「年間700件近いお褒めのお言葉を頂いており(2022年度実績)、その多くが乗務員の名前を特定した内容となっております」と説明。「お寄せいただいたご意見は、乗務員に共有させていただくとともに、規程に基づき表彰を行うことで、乗務員の励みとなり、更なるサービス向上に繋がると期待しております」という。

   京王バスの「ビジネスネーム」は選択式だが、どの程度使用されているのか。4月2日にJ-CASTニュースの取材に応じた京王バスの広報担当は、「乗務員のプライバシーの確保も目的としておりますので、正確な人数や割合というところは、回答を差し控えさせていただければと思います」と回答した。

   京王バスでも「カスハラ」対策への効果を期待しているのか、という問いについては肯定しつつ、導入の理由としてリリースに記載された「乗務員のプライバシーの確保というところにも含蓄されているのかなと」と回答した。

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