従業員の本名、あるいはフルネームは公開しません――。「カスハラ」(カスタマーハラスメント)問題への注目が集まる中、これまで「名札」などで掲示していた従業員の氏名を、苗字のみにしたり、本名以外の名前に置き換えたりするケースが、最近増えている。
「苗字のみ」を採用した自治体からは、「トラブルは減ったと感じています」との声も。また、「ビジネスネーム」を導入する交通機関の取り組みには、Xで大きな反響があった。その狙いと効果は。
「すべてのサービス業で取り入れて欲しい」称賛の声
京王バス(東京都府中市)は2024年3月28日、4月1日からバス乗務員の氏名表示に、乗務員自身が考案した「ビジネスネーム」を取り入れると発表した。
23年8月1日にバス車内での乗務員等の氏名掲示義務が廃止されたことを受け、バス車内に掲示する乗務員の氏名表示について、「バス乗務員のプライバシー確保の観点から、本名と異なる『ビジネスネーム』の選択を可能といたしました」という。
これがXで拡散されると、「これすべてのサービス業で取り入れて欲しい 会社公式HPのスタッフ紹介で本名晒されるのマジで嫌」「文句があるにしたって会社がその人を特定できればいいわけで、良い取り組みだと思います」「良い事だよね。一方的に利用者にプライバシー暴かれて不公平だもんな」などと称賛の声が寄せられた。