ポケカが資産としての要素が強まった理由は
後藤氏は、ポケカの役割も変化している、と指摘する。
1996年の発売当初は「子どもの玩具」だったが、25年以上が経過したことで「世代を超えて楽しめる親子のコミュニケーションツール」になったと説明する。
さらに、ポケカを始めやすい理由に「スタン落ち」というルールもある。専用のルールが設けられた大会以外では過去のカードが使えなくなるというもので、新規プレイヤーが参入しやすいルールが設けられている。
遊戯王やデュエル・マスターズに比べてポケカが人気を博すのは、スタン落ちがあるからだと、後藤さん。
「遊戯王やデュエル・マスターズはスタン落ちがないので、新規ユーザーが参入しづらいです。特に遊戯王はルールが複雑化したことで、新規プレイヤーが増えない事が売上減少に繋がりました。一方、デュエル・マスターズには新規向けの大会があります。」
また、ポケモンは国内外問わず人気のゲームだ。ポケカ以外のグッズ展開も安定し、希少なグッズの価値も高まっている。
ポケモンが長く続くほど資産価値が高まる事が確定しているため、「高いブランド力を持ち、大人も楽しめる遊べる美術品」という価値も生まれているという。
先述したように、18年ごろを境に、右肩上がりにポケカの価値が上がる中、さらに大きな話題になったのは23年1月発売のカードパックだ。「スカーレットex」「バイオレットex」収録のカードで10万円を超えるものがあり、メディアでも取り上げられたという。
資産としての要素が強まった理由について、後藤氏は「熱心なコレクターも増え、サービス終了でカード資産がなくなるリスクがなくなったことで投機案件としての魅力が急速に高まりました」と話す。
ちなみに現在までに、最高金額の約7億円で取引されたポケカは、非常に希少な「ポケモンイラストレーター」というカード。個人売買で販売された最も高価なポケカとしてギネスブックにも認定されている。