会見内容を報じることが北朝鮮への圧力になる
家族会は24年2月、親世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の即時一括帰国が実現するならば、北朝鮮への人道支援や独自制裁の解除に反対しないとする運動方針を打ち出している。
横田氏は「全拉致被害者の一括帰国」を改めて強調し、
「部分的解決や、段階的解決でお茶を濁して幕引きや時間稼ぎということがあってはならない。その価値観を日本政府には貫いてほしい」
と話した。
今回の記者会見の目的のひとつは、拉致問題の現状を訴えることで、近く予定されている日米首脳会談で北朝鮮の人権問題が取り上げられるように働きかけることにある。横田氏によると、「北朝鮮は、皆様方(メディア)が発信される文字や、報道、放送を、くまなくチェックしている」。会見内容が報道されることが北朝鮮への圧力になると訴えた。
「皆さん方が、『この人権問題が、なおも続いているんだ』『国際社会から非難されているんだ』ということを取り上げてくれれば、そのことが(北朝鮮は)プレッシャーに感じる。私自身が今日こうして、この場で会見していることも、彼らに届くはずだ。それ自体、私が持っている言葉の力だと信じている」
(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)