SNS発言で判事罷免の岡口基一氏、再就職先は「伊藤塾」 専任講師として「民事実務、要件事実等の講義や書籍執筆」

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   X(当時はツイッター)の発言で裁判当事者の感情を傷つけたとして訴追され、判事を辞めさせる罷免の判決を受けた岡口基一氏(58)の再就職先が2024年4月4日に明らかとなった。

   岡口氏の弁護団のひとりだった伊藤真弁護士が塾長を務める資格試験予備校「伊藤塾」の専任講師だという。

  • 「伊藤塾 司法試験科」のアカウントに登場した岡口基一氏(右)。「伊藤塾専任講師として、民事実務、要件事実等の講義や書籍執筆で活躍」するという
    「伊藤塾 司法試験科」のアカウントに登場した岡口基一氏(右)。「伊藤塾専任講師として、民事実務、要件事実等の講義や書籍執筆で活躍」するという
  • 弁護団への感謝をつづった岡口氏。2行目には「伊藤真」とある。
    弁護団への感謝をつづった岡口氏。2行目には「伊藤真」とある。
  • 判決後に岡口基一判事が更新したフェイスブック。絵文字つきで「裁判、ダメでした」と書き込んだ
    判決後に岡口基一判事が更新したフェイスブック。絵文字つきで「裁判、ダメでした」と書き込んだ
  • 判決前には「頑張って行ってきますね」
    判決前には「頑張って行ってきますね」
  • 岡口氏の裁判では「守る会」が結成されていた
    岡口氏の裁判では「守る会」が結成されていた
  • 「伊藤塾 司法試験科」のアカウントに登場した岡口基一氏(右)。「伊藤塾専任講師として、民事実務、要件事実等の講義や書籍執筆で活躍」するという
  • 弁護団への感謝をつづった岡口氏。2行目には「伊藤真」とある。
  • 判決後に岡口基一判事が更新したフェイスブック。絵文字つきで「裁判、ダメでした」と書き込んだ
  • 判決前には「頑張って行ってきますね」
  • 岡口氏の裁判では「守る会」が結成されていた

「事実を受けとめそれに自分で意味を与えれば新たな道が拓かれます」

   岡口氏は、担当外の事件の関係者を傷つける投稿を計13回にわたって行ったとして、21年6月に訴追された。公判は22年3月に始まり、今回の判決含め16回にわたって行われた。

   弁護側はSNSの投稿を理由にした罷免は不当だと主張したが、国会の弾劾裁判所(裁判長=船田元・衆院議員)は24年4月3日、岡口氏を辞めさせる罷免の判決を言い渡した。罷免判決を受ける裁判官は8人目だが、職務外の表現行為が理由になるのは初めて。

   弾劾裁判では不服申し立てはできず、岡口氏は裁判官の身分や、弁護士になるために必要な法曹資格を失ったことから、その去就が注目されていた。

   伊藤弁護士は罷免判決から一夜明けた4日朝、Xを更新し「岡口元裁判官は今日から伊藤塾専任講師として、民事実務、要件事実等の講義や書籍執筆で活躍します」と発表した。

   伊藤塾は、伊藤弁護士が塾長を務める資格試験予備校だ。司法試験のほか公務員・司法書士・行政書士試験といった法律系専門職の試験対策を幅広く手がけている。

   伊藤弁護士は「30年の実務経験と豊富な知識を受験生、修習生、実務家の教育に活かしてもらえることを嬉しく思います。事実を受けとめそれに自分で意味を与えれば新たな道が拓かれます」と今後への期待を示した。

   投稿には、スーツ姿の2人が笑顔で並んだツーショット写真が添えられている。

岡口氏もインスタ更新「昨晩は遅くまで弁護団と飲んでいました」

   岡口氏も同日、インスタグラムを更新。「昨晩は遅くまで弁護団と飲んでいました」と明かし、弁護団を構成する弁護士らの氏名が並んだ文書のスクリーンショットを公開した。リストの上から2行目に、再就職先である伊藤塾を率いる伊藤氏の名前がある。

   「通算5年くらいの戦いでしたから 話はつきません みんな、大笑いして、楽しく、この5年間の思い出を振り返りました 弁護団はみんなボランティアです。これだけの方々に支援していただいた俺は本当に幸せ者です」と感謝をつづった。

   岡口氏は東大法学部卒業後、1994年に任官。民事訴訟などに関する著書は多く、中でも『要件事実入門』(創耕社)、『要件事実マニュアル』(ぎょうせい)のシリーズはベストセラーとなった。2冊は司法試験受験生の「バイブル」との呼び声が高い。投稿が問題化する前は、下着姿の写真を掲載する「ブリーフ判事」として知られていた。

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