ロスジェネ世代はつらいよ...昨年は「歴史的賃上げ」でも賃金増えなかったが、今年は恩恵ある?(2)/第一生命経済研究所の永濱利廣さんに聞く

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有権者としてボリュームが大きい、政治を変えよう

――「失われた30年」ですか。もうこりごりですよね。最後に、ロスジェネ世代へのエールをお願いします。

永濱利廣さん 政府や地方自治体もロスジェネ世代を気にかけており、積極的に公務員に中途採用する動きを拡大していますが、競争率はかなり高いと聞いています。

人手不足が続いており、企業は若い層の獲得に懸命ですから、なかなか賃上げも望みにくいでしょう。結局、自分で打開するしかありません。

私も含めたロスジェネ世代は、小さい時から割を食ってきました。人数が多く、受験での競争率が高く、就職では苦労の連続でした。

しかし、先ほど述べた「転職に保守的な価値観」が染みついているとはいえ、転職を少しでも前向きに考えて、チャンスがあればチャレンジしてほしいです。

副業やすき間バイト、ポイ活やフリマアプリなども有効に活用して収入元を増やしましょう。また、比較的年収が高めであれば、ふるさと納税の活用も効果が高いでしょう。

――私も団塊の世代でしたから、ボリュームが大きいため、小学校ではクラスの人数が多くて(70~80人もいた)先生に名前を覚えてもらえない、受験では競争率が高いといった苦労の連続でした。

永濱利廣さん ロスジェネ世代は、そんな団塊の世代の子ども世代として、第2次ベビーブーマーになりましたが、バブル崩壊後の不況により第3次ベビーブーマーを作れなかったことが残念です。

ただ、ボリュームが大きいのがロスジェネ世代の最大の強みでもあります。それは、有権者としてもボリュームが大きいということです。選挙を通じて政治に影響を及ぼすことで、世代のパワーを見せつけてやりましょう。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)



【プロフィール】
永濱 利廣(ながはま・としひろ)
第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト
担当:内外経済市場長期予測、経済統計、マクロ経済分析

1995年早稲田大学理工学部工業経営学科卒。2005年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。
1995年第一生命保険入社。1998年日本経済研究センター出向。2000年第一生命経済研究所経済調査部。2016年4月より現職。
著書に『エコノミストの父が、これだけは子どもたちに教えておきたい大切なお金の話 増補・改訂版』(ワニ・プラス)、『給料が上がらないのは、円安のせいですか?』(PHP研究所)、『日本病 なぜ給料と物価は安いママなのか』(講談社現在新書)、『日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか』(講談社現代新書)など多数。

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