運動量や睡眠時間の計測など健康機能のほかに、LINEや着信の通知を受信することも可能なスマートウォッチ。街角や会社でも付けている人を見かけることが多くなった。
NTTドコモの研究機関、モバイル社会研究所(東京都千代田区)が2024年3月28日に発表した「スマートウォッチ利用者は、旅行・テレワーク・ボランティア活動に積極的な傾向」などの調査によると、スマートウォッチの利用者は、健康に自信があるうえ、スポーツや旅行、ボランティア活動にも積極的だという。
これは、スマートウォッチを身につけている「効果」なのか。調査担当者に聞くと――。
ボランティアに特に熱心なシニアの利用者
モバイル社会研究所の調査(2023年2月実施)は、全国の15歳~79歳の男女7166人が対象だ。
まず、スマートウォッチを利用しているかどうか聞くと、利用している人は723人(10.1%)で1割を超えた。男性443人(12.3%)、女性280人(7.8%)と、男性のほうが利用者は多い。
日帰り旅行の頻度を聞くと、スマートウォッチを利用する人の「年に3回以上」の割合は37%、利用していない人の場合は23%と、男性・女性ともにスマートウォッチの利用者は日帰り旅行の頻度が高くなった【図表1】。
特に女性15~39歳で45%、男性15~39歳で44%と、スマートウォッチを利用する人は、若い世代ほど日帰り旅行に出かける人が多くなる。この傾向は、宿泊旅行でもまったく同じだった。
次に、スマートウォッチの利用の有無と、奉仕活動やボランティア活動の参加頻度の関係を調べたのが【図表2】だ。
これを見ると、スマートウォッチを利用する人の「参加する」の割合は35%、利用していない人の場合21%となった。
男性・女性ともにすべての年代でスマートウォッチの利用者は、奉仕活動、ボランティア活動の参加頻度が高い傾向にあった。特に熱心なのが男性60~79歳(47%)、女性60~79歳(42%)のシニア層だ。
このように、スマートウォッチの利用者が行動的である結果は、同研究所が2024年1月31日に発表した「スマートウォッチ利用者は、健康に自信があり、アクティブな傾向」でも示されている。
【図表3】は、スマートウォッチの利用の有無と、1回30分以上の軽く汗をかく身体運動の頻度の関係を調べたグラフだ。
これを見ると、「ほぼ毎日」「週に4回から5回」など、スマートウォッチの利用者の運動量が男性・女性を問わず全年代で高いことがわかる。
この傾向は、ヨガ・ダンス教室やスポーツジムに参加する頻度でも全く同じ結果が出た。
そして、スマートウォッチの利用の有無と、健康意識のついて聞いた結果が【図表4】だ。「健康だと思う」という割合が、スマートウォッチの利用は男性・女性を問わず高いことがわかる。